経済

2024.10.15 11:30

右肩上がりのペット産業がついに「転換期」に、インフレの影響も

高価なペットフードを買う余裕のある家庭ではペットを人間のように扱う傾向があり、これが質の高いものをペットに与えたいという動機になっている。飼い主がペットの世話の仕方を進化させるにつれて、優先するものをおもちゃから栄養へと変えつつある。

ペット産業における新たなチャンスの1つは意外にもマーケティングだ。ほとんどの世代において、消費者にリーチする手法は現在複数のチャネルが混在している状態で、独占しているものはない。だがある年齢層はペット関連のマーケティング情報の大半を1つのチャネルから得ている。そのグループとはZ世代で、YouTubeからペット関連の情報を得ている。YouTubeは今や、Z世代の消費者にペット関連のマーケティングを行う場であり、追随する他のチャネルはない。

ペット産業の今後の見通し

ペット産業は製品やサービス全体にわたって安定した高成長に慣れている。そうした黄金期は終わった。

まだ成長するだろうが、これまでより不安定で部分的なものになるだろう。特定の種目の商品は成長し、その他は縮小する。ある種のマーケティングチャネルは顧客獲得につながるが、そうならないものもある。

マーケティング調査会社のニールセン・アイキューによると、オンライン、店頭の両方で最も成長している3つのカテゴリーは、ベッド付属品、薬、ノミ・ダニ用品だ。逆に、販売が伸び悩んだり減少したりしているカテゴリーは、ペット小屋、ボウル、給水用品となる。

必然的に、買収された多くのペット産業の企業における今後の成長は、買収した企業が想定していたより難しくなる。

今後、ペット産業においてスタートアップがこれまでより多くなる可能性も低いのは歴史から明らかだ。成長があまり見込めない業界は起業家の目には魅力的に映らない。

この業界で成功する起業家は過去10年に比べて少なくなるだろう。裏を返せば、成功する起業家はこれまでよりもずっと少なくなり、会社を売却する時には価値が高くなるということでもある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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