オホートニクは、ロシアの新型戦闘機スホーイSu-57、北大西洋条約機構(NATO)のコードネーム「フェロン」の「忠実なウイングマン(僚機)」としての運用を想定して設計された戦闘用のドローン(無人機)だ。今回の機体も随伴するSu-57によって撃墜され、ロシア側はその残骸を破壊しようと墜落現場にイスカンデル弾道ミサイルも撃ち込んだ。だが画像からは、ミサイルが着弾するかなり前に、ウクライナ側が解析のため残骸の主要部を持ち去っていたことがわかる。
Yesterday they discussed that it would be a good idea to send an Iskander to the crash site of the S-70 Okhotnik.
— Luis Miguel Villegas Silva (@LuisMig86192338) October 6, 2024
So, Iskander was sent out. The team of engineers who studied the wreckage received the package. pic.twitter.com/YCfDEB9skz
解析結果はおそらく、ロシアにとってたいへんバツの悪いものになるだろう。ただ、その理由は予想されるようなものとは違うかもしれない。
I can confirm, based on footage from @PEnssle, that Ukrainian forces have already recovered and removed large, relatively intact pieces of the advanced Russian S-70 Okhotnik UCAV that crashed in Donetsk Oblast.
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) October 5, 2024
Notably including the wing segment seen in this video. pic.twitter.com/7Z9yDgKfab
機密技術「ステルス」
航空機をレーダーに映りにくくする技術は、専門的には「シグネチャー(識別特性)低減」、一般的には「ステルス性」として知られる。その一般的な手法は第二次世界大戦以来知られているが、レーダーにほぼ映らないように特別に設計された航空機というアイデアは画期的であり、高度な機密だった。米国のステルス攻撃機ロッキードF-117ナイトホークのプロトタイプは1970年代に飛行していたが、ハロルド・ブラウン米国防長官が「ステルス性」という新技術の存在を公式に発表したのは1980年のことだった。
とはいえ、新しいステルス機がどんなものなのかは外部の人間は誰も知らず、何年もの間、謎の「F-19ステルス戦闘機」の外観をめぐって臆測が流れた。内部ソースに基づく情報としていくつかのモデルがリークされたが、どれもF-117の実物と似ておらず、積極的な誤情報キャンペーンが行われていたと推測される。
1986年7月、米空軍第4450戦術航空群のロス・マルヘア少佐が操縦するF-117がカリフォルニア州のセコイア国立森林公園内で丘陵の中腹に墜落し、マルヘアは即死した。墜落した謎の航空機は極秘のプロトタイプ機なのではないかとメディアの大きな注目を集めた。