1食分のパスタで「1日分の幸せホルモンが摂れる」
イタリア発祥の今日のパスタ食文化は、古代メソポタミア文明に起源を持つと言われ、古代ローマ時代から市民に馴染みあるものでした。世界最古の料理書のひとつとして知られるアピキウス著『料理帖』(紀元前80年〜40年頃)には、小麦粉と水でつくった“ラガヌム”という生地を使った、肉や魚を交互に重ねたラザーニャのような料理が登場します。
イタリア人は陽気でおしゃべりというイメージがありますが、その理由は食文化にありました。
パスタを毎日食べることで、イタリア人の脳内では、<幸せホルモン>と呼ばれるセロトニンが常時盛んに生成されているからです。
脳内で作られるセロトニンの材料は、必須アミノ酸のトリプトファン。ただし人間の身体は、トリプトファンを自ら作り出すことができません。パスタ1食分(100g)のトリプトファン含有量はなんと白米の約1,7倍!一度の食事で1日の必要摂取量(140mg)を摂ることができるのです。
イタリアの若者のトレンドは「炭水化物リバイバル」
そのため「いつもハッピーで健康でいたい」というイタリアの若者層を中心に、持続的なエネルギー源かつ幸せホルモンの供給源として、いま「炭水化物リバイバル」がトレンドとなっています。お弁当という概念がないイタリアですが、「ウォーキングパスタ」という造語まで生まれ、冷めても美味しい持ち運びパスタレシピが注目されています。実はデュラム小麦セモリナのパスタは太りにくい麺です。GI値60のうどんと比べてみればわかる通り、なんとパスタはGI値40前後の低GI食品であり、植物性のタンパク質と食物繊維も含まれています。カロテノイド(ルテインとベータカロチン)は抗酸化作用もあり、オリーブオイルと合わせることで整腸作用とエイジングケア効果も。パスタ100グラムは約360kcal ですが、その約70%は複合炭水化物であり、タンパク質含有量が10~13%を占めます。
前述のパスタに豊富な神経伝達物質であるトリプトファンは、エネルギー生産を促進する炭水化物のほか、グリコーゲン回復要素、さらに脂肪の代謝を促すビタミンB群まで網羅します。
パスタの新時代到来——「アスリートパスタ」とは
イタリアにおけるパスタ食は進化し続けており、パスタの聖地である中部イタリアでは、「LA PASTA DEGLI ALTETI(アスリートパスタ)」が発売されています。デンプンの構造を変化させずに保存する生産プロセスを通して、伝統的な手打ち技術を踏襲し、タンパク質を劣化させない作り方をしている特殊なパスタです。サッカーのイタリア代表チームは赤身の肉を禁止し、野菜入りのパスタを好むと言われています。2020 年東京オリンピックの旗手であるバレーボール選手の パオラ・エゴヌなど数々のオリンピック選手もベストな身体づくりとトレーニング後の回復にはパスタのようなグリコーゲン回復食が必須であるとしています。
デュラム小麦セモリナパスタは、100 gあたり約350 Kcalですが、消化率が非常に高いのです。そしてなによりグリコーゲンという筋肉に蓄えられる糖を最速で回復してくれます。そのためサッカーイタリア代表のボヌッチやキエッリーのようなトップアスリートにも好まれるのですね。
※本稿はエルゴン・ジャパンのプレスリリースからの転載(再編集)である。