カルチャー

2024.10.14 09:45

知らなかった正式名称ランキング 第1位は漢字14文字の器具

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普段使っていながら、その本当の名前を知らないものはけっこう多い。たとえば、紙をパチンととめるホチキスは商品名で、JIS規格ではステープラー。中に入れる針は、玉とか呼ばれたりするがJIS規格では「ステープラー用つづり針」だ。それはともかく、「CMサイト」が発表した「知って驚く『正式名称』ランキング」は本当に驚きだ。

CMを見るとポイントがたまる「CMサイト」は、全年代の男女9794人に知って驚いた日常的な道具の名称に関するアンケート調査を実施し、トップ5を発表した。それによると、553票を獲得した第5位は「新井式回転抽選器」。福引きでガラガラ回して玉が出てくるあれだ。東京で洋服店を営んでいた新井卓也氏が発明して1930年に特許を取得している。立川志の輔の落語『ガラガラ』でもこの下りが出てくるので、落語好きなら知ってたかもしれない。
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第4位は「ランチャーム」(608票)。お弁当のお醤油を入れる魚の形をしたやつだ。食品用器具を製造する旭創業の創業者、渡辺輝夫氏が1954年にポリエチレン製の携帯用醤油入れを考案し商品化したものだ。じつは、あの魚型のものだけではない。同社が製造している液体調味料を入れる携帯用のパックは、スーパーの餃子に付いてくる小さな袋入りのタレや、ホットドッグに付いてくるケチャップとマスタードが入ったパッケージなどもすべてがランチャーム。つまりランチャームは旭創業の製品カテゴリーを示す商品名なのだが、元祖企業がそう呼ぶのだから正式名称と言っていいだろう。
旭創業ランチャーム容器タイプパンフレットより。

旭創業ランチャーム容器タイプパンフレットより。

第3位は「コマーシャルアット」(767票)。いわゆるアットーマークだ。米国国家規格協会によって定められている。第4位は「アンパサント」(891票)。「&」のホントの名前だ。ちなみに「〜」は「チルダ」、「^」は「サーカムフレックス」、「々」は漢字ではなく「同の字点」という名称がある。

さて問題は1402票を獲得して第1位となった「蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具」(かにこうかくるいだいたいぶほきゃくみとりだしきぐ)だ。攻殻機動隊のメカかと思わせるが、カニを食べるときのフォークみたいなスプーンみたいなやつ。日本中のいろいろなメーカーが作っているものの、通常は「カニフォーク」または「カニスプーン」で、蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具と呼んでいるメーカーや店舗は見かけない。JIS規格にも登録がないようだ。

じつはこれには諸説ある。もっとも有名なものは、「2008年に阪急 トラピックスのカニ食べ放題ツアーのバスガイドさんがジョークで言ったものが定着した」ものだとか。

そのほかにも、よく使うのに本当の名前があまり知られていないものに、面ファスナー(マジックテープ)、気泡緩衝材(プチプチ)、固体二酸化炭素(ドライアイス)、大型タオル(バスタオル)、サック(コンドーム)などけっこうある。探してみると楽しいだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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