近年、インドの株式市場では、一般投資家の投資熱が高まっており、ベンチマークであるSENSEX指数はここ1年で30%上昇した。これを受け、100人の富豪のうちの80%以上がさらに資産を増やし、58人がそれぞれ10億ドル(約1494億円)以上資産を増加させた。
1位に輝いたリライアンス・インダストリーズ会長兼マネージングディレクターであるムケシュ・アンバニの保有資産は1195億ドル(約17兆8000億円)とされた。彼の資産は、昨年から275億ドル(約4兆1000億円)増加した。
2位は、インフラ王のゴータム・アダニで、保有資産は1160億ドル(約17兆3343億円)とされた。彼が率いるアダニ・グループは昨年、空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチによる空売り攻撃を受けたが、そこから力強い回復を示し、アダニの資産は480億ドル(約7兆1737億円)増加した。
3位は、鉄鋼から電力までを手がける複合企業のO.P.ジンダル・グループの女性リーダー、サヴィトリ・ジンダルとその一族が入り、保有資産は昨年を197億ドル(約2兆9442億円)上回る437億ドル(約6兆5310億円)とされた。彼女の息子サッジャン・ジンダルは最近、MGモーターとの提携で電気自動車(EV)市場に進出した。
4位には、ソフトウェアサービス企業のHCLテクノロジーズ創業者であるシヴ・ナダルが入り、保有資産は402億ドル(約6兆円)とされた。
5位は、製薬会社サンファーマ創業者のディリップ・サングビで、保有資産は324億ドル(約4兆8414億円)とされた。活気ある製薬業界の富豪である彼の資産は、昨年の190億ドル(約2兆8390億円)から急上昇した。
今年のランキングには4人の新顔が加わっており、そのうちの2人も製薬業界の富豪だ。ジェネリック薬と医薬品成分を製造するヘテロ・ラボ創業者のB.パルタ・サルディ・レディは39億5000万ドル(約5900億円)で81位、ワクチンメーカーのバイオロジカルEを支配するマヒマ・ダトラは33億ドル(約4930億円)で100位に入った。
また、H&Mやカルバン・クラインなどを顧客とするアパレル企業、シャヒ・エクスポーツ創業者のハリシュ・アフージャは38億ドル(約5676億円)で84位に入り、ソーラーパネルの製造元で9月に上場したプレミア・エネルギーズの創業者であるスレンダー・サルジャは、37億ドル(約5527億円)で87位に入った。
下記に2024年版の『インドの富豪100人』ランキングの上位10名を掲載する(カッコ内は各人が運営する企業名、もしくは主な事業領域)。