ウクライナ軍が保有する最も高性能な西側製兵器、具体的に言えば米国製のATACMS弾道ミサイルや英仏製のストームシャドー/SCALP-EG巡航ミサイルは、今回の攻撃に使用された兵器の候補から除外してよいだろう。米国、英国、フランスは、ウクライナがこれらの兵器をロシア領内への攻撃に使うことを依然として認めていないからだ。
一方、ウクライナ国産の弾薬にはこうした制約がない。ウクライナのネプトゥーン(ネプチューン)巡航ミサイルはロシア南部まで届く。ウクライナ国防省情報総局(HUR)が開発した長距離攻撃ドローンは、オクチャブリスキーからさらに数百km先まで飛行できる。
シャヘドの保管施設に対する攻撃は、より大きな動向の一部とみることができる。ウクライナ軍は、ドローンが目標近くまで飛来してきた段階で高価な防空ミサイルを費やして撃ち落とすのではなく、米軍の慣用句を借りれば「ドカンとなる前に(left of the boom)」につぶす努力をしている。つまり、発射される前の段階でロシア軍の弾薬を破壊しようとしている。
その対象はシャヘドに限らない。ウクライナ軍は衛星誘導の滑空爆弾の備蓄庫なども破壊している。先週もロシア南部ボロネジ州ボリソグレブスクの軍用飛行場をドローンで襲撃し、滑空爆弾などが保管されていた倉庫を攻撃したと伝えられる。
Last night, drones attacked the Borisoglebsk military air base in Russia's Voronezh region, Russian Telegram channels report.
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) October 3, 2024
It is reported that the drones attacked warehouses that store KABs, parking lots of SU-35 and SU-34 aircraft, as well as places where aviation fuel is… pic.twitter.com/X9uVxqRL8k