一方、専門家は共和党のXの広告が、まだ投票先を決めていない有権者に影響を与えるものではないが、共和党員の選挙運動を強力に後押しする効果があると述べている。
調査会社AdImpactとワシントン・ポスト紙のデータ分析によると、共和党支持のアカウントは、3月6日から10月1日までの期間に、民主党支持のアカウントの2倍以上の広告費をXに費やしていたという。
7月のピュー研究所の調査でマスクがXを買収して以降に、プラットフォームが共和党寄りになったことが示された。デジタル政治を研究するペンシルバニア大学の教授のディーン・フリーロンは、この広告費の増加は共和党にとって理にかなっているとフォーブスに語った。
ノースカロライナ大学の政治コミュニケーションの専門家のダニエル・クリースは、共和党のXとの結びつきは、共和党の支持層以外の有権者に影響を与えることはないだろうが、共和党の支持者同士の結びつきを強化し、広告や資金集めを通じた保守派へのアピールに役立っていると指摘する。
ウェズリアン大学の教授でWesleyan Media Projectの共同ディレクターであるエリカ・フランクリン・ファウラーは、共和党は、Xを通じて共和党に親しみを持つオーディエンスにアプローチし、彼らが献金を行うことや、共和党への投票を検討したり、党の主張を共有したりすることを期待していると語った。
また、ペンシルバニア大学のフリーロン教授は、Xがかつてのツイッターほどの政治的な影響力を持たない理由として、トランプがより強い投稿をTruth Social(トゥルース・ソーシャル)で行っていることや、Xのアクティブユーザー数が減少していること、そしてXが登録していない人々には利用できないことを挙げている。
民主党はどこに広告を出している?
一方、ワシントン・ポスト紙は、民主党が8月初めから数百万ドル規模で共和党を上回るデジタル広告費用を投入しており、出稿先をYouTubeやフェイスブック、インスタグラムなどに集中させているとAdImpactのデータを引用して報じている。カマラ・ハリス副大統領はXに広告を出しておらず、政治戦略家のヌ・ウェクスラーは、「民主党は、Xを自分たちがターゲットとするオーディエンスだと考えていない」とワシントン・ポスト紙に語っている。
(forbes.com 原文)