食&酒

2024.10.11 17:50

水素調理でカーボンニュートラル 水素炙りバーナーの実力とは

プレスリリースより

調理には火を使う。ガスを燃やせば当然のことながら二酸化炭素が排出される。ガスを使用している中規模レストランの調理による二酸化炭素排出量は、大まかに計算して年間でおよそ10トン程度。ならばガスのかわりに水素を使おうと登場したのが水素調理器だ。

多摩大学ルール形成戦略研究所からスピンアウトした水素スタートアップ、H2&DXはさまざまな方面での水素利用を推進しているが、そのひとつに水素調理器具の開発がある。同社が2022年に水素コンロの販売を開始し、2023年のG7サミットでは国際メディアセンターにて水素調理による料理を振る舞い話題になった。また今年4月には直営店として東京都港区に世界初の水素焼きレストラン「icHi」(いち)をオープンしている。

水素は酸素と結合して燃焼するため、その際には二酸化炭素を排出しない。ただ水素調理は、エコな代替方法というだけではない。通常のガスよりも高温で水蒸気が大量に出るため、高温スチーム調理のようになる。炎の匂いが付かないので、炭火のような風味はないものの、そのぶん素材本来の味が引き出せるという。高温なので調理時間が短縮できるというメリットもある。水素焼きには、これまでにない独特な焼き物の世界を創りだす可能性があるのだ。

そのH2&DXから、新たに炙り焼き用のバーナーが発売されることになった。これまで同社の水素調理器具を導入した業者から、食材のよさをさらに引き立てる水素火炎による炙り調理用バーナーが欲しいという要望があったからだ。これは、同社の水素調理器具を使用している顧客向けの受注生産品となる。H2&DXの水素炙りバーナーの特徴は以下のとおり。

・燃焼には水素を使用するためCO2を排出しない
・無臭である(食材にガス臭がつかない)
・燃焼温度を高くすることができる
・耐熱耐食性の高いステンレス素材を採用
・設置しやすい掛けリングを取り付け

icHiでも、水素炙りメニューが順次加わる予定とのことだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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