欧州

2024.10.08 09:30

ロシア軍の墜落したステルス無人攻撃機、滑空爆弾を搭載か

ロシアのステルス無人攻撃機S-70オホートニクの模型。2019年8月、モスクワ州(fifg / Shutterstock.com)

いずれにせよ、ロシア空軍がこの大型の最新鋭ドローンを滑空爆弾搭載機として配備する意向であることが明るみに出た。ロシア空軍が現在、滑空爆弾による爆撃に主に用いているのはSu-34戦闘爆撃機だ。100機程度のSu-34はせわしなく出撃し、精密誘導される有翼の滑空爆弾をウクライナの軍人や民間人に向けて40km以上離れた空域から月に計3000発ほど発射している。
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ただ、この戦争はSu-34を運用する連隊にとっても過酷なものになっている。2022年2月にロシアがウクライナに対する戦争を拡大して以来、ロシア空軍は2人乗りの超音速機であるSu-34をウクライナ側の攻撃によって30機ほど撃破されている。これまでの生産数の5分の1程度を失った計算だ。

滑空爆弾による爆撃作戦にオホートニクも投入すれば、Su-34連隊は休息をとったり、代替が難しい搭乗員の命を守ったりできるだろう。とはいえ、それが言うほど簡単なことではないのをあらためて示したのが、5日の災難だった。AI(人工知能)を搭載した無人攻撃機の開発をリードする米空軍ですら、完全なAIドローンの配備は何年も先になる見通しとなっている。ロシア空軍はそれに何年も遅れている。

オホートニクが依然として地上の操縦士、おそらくロシア国内のどこかにいる操縦士との強力な無線リンクに依存しているのはほぼ確実だ。そして、衛星で中継されるこの無線リンクは、ウクライナの1000kmにおよぶ戦線の各地で通信や航法を難しくしている強力なジャミング(電波妨害)に遭いやすい。
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今回のオホートニクも、チャシウヤール付近で操縦士側との接続を失い、その後味方の戦闘機によって撃墜されたという可能性は十分ある。制御不能になったドローンは敵陣やその後方にほぼ無傷で不時着し、機密技術が敵の情報機関の手に渡ってしまうおそれがある。ロシア側はおそらく、制御できなくなったオホートニクを撃墜して処分し、外国の専門家によって分解調査されるのを防ごうとしたのだろう。

しかし周知のとおり、それは失敗に終わった。墜落したドローンとその弾薬は、画像からオホートニクと滑空爆弾だと観察者ですら識別できるほど外形をとどめていた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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