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欧州

2024.10.08 09:30

ロシア軍の墜落したステルス無人攻撃機、滑空爆弾を搭載か

ロシアのステルス無人攻撃機S-70オホートニクの模型。2019年8月、モスクワ州(fifg / Shutterstock.com)

ロシア空軍初のステルス無人攻撃機であるS-70オホートニクの貴重な1機が5日、ウクライナ東部ドネツク州バフムート近郊のチャシウヤール方面で墜落した。どうやら飛行中に不具合を起こしたらしく、随伴するロシア軍の戦闘機によって撃墜されたようだ。

残骸はチャシウヤールのすぐ南西のコスチャンティニウカに落下した。墜落現場の画像は、翼幅約20mのこの亜音速ドローン(無人機)が東部の前線上空で何をしていたのかについて、興味をそそる手がかりを与えてくれる。
焼け焦げて散乱した機体の残骸のなかに、D-30SN精密誘導爆弾の部品らしきものも転がっていた。これはオホートニクが当時、爆撃任務で出撃していたことを強く示唆するものだ。
ロシア空軍の非公式テレグラム・チャンネルであるファイターボンバー(Fighterbomber)はオホートニクの撃墜を、ロシア空軍がウクライナ上空にこの無人機を数多く飛ばすようになっている証拠だと解釈している。

「ロシアは特別軍事作戦を行っている地域で、重攻撃無人航空機のイノホージェツとオホートニクを大量に使用し始めた」とファイターボンバーは主張している。特別軍事作戦はウクライナに対する戦争のロシアの政権による呼称、イノホージェツは非ステルスでプロペラ推進式の無人攻撃機オリオンの別名だ。

全長約8mのイノホージェツについては、ウクライナ上空で繰り返し任務飛行を行っていることがはっきりしている。というのも、ウクライナ側はこれまでにこの無人攻撃機を少なくとも7機撃破しているからだ。一方、オホートニクがロシアの戦争努力に実質的な貢献をしているのかどうかは、それほどはっきりしていない。

衛星誘導のオホートニクは2019年に初飛行し、2年後に初めて爆弾を投下した。開発元のスホーイ社が当初製造したプロトタイプはわずか2機だった。ファイターボンバーはオホートニクが量産段階に入っていると主張しているが、その真偽を確かめるのは難しい。

スホーイによる新機種の開発が遅いことを踏まえると、ロシア軍のオホートニクの在庫はプロトタイプの2機しかなく、墜落したのはそのうちの1機だった可能性もある。より楽観的な見方は、プロトタイプ2機と量産型の最初の1機の計3機あったというものだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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