数多くの従業員たちが、そうしたポジションに陥りがちだ。それはしばしば、その人の潜在能力が、きちんと認識や評価されていないことによる。だが、戦略的なアプローチをとり、適切な姿勢をとっていれば、キャリアの軌跡を変えて、ハイパフォーマーのポジションに移行することができる。
まだ開花していない潜在能力を認識する
「ミドルパフォーマーは、すでにその人の潜在能力のピークに達している」。こうした考え方は、広く行きわたっているものだが、大きな欠陥がある。ほとんどのミドルパフォーマーは、ハイパフォーマーの地位に昇格するために必要な能力を本来備えており、これは研究によって示されている。つまり、あなたには、開発されるのを待っている「眠れる才能」があるかもしれない、ということだ。残念ながら、筆者が創業したリーダーシップIQの最近の調査によると、「自分は、ミドルパフォーマーをハイパフォーマーへと育成するのに長けている」と自認するリーダーはわずか26%にとどまっている。言い換えれば、あなたはおそらく、自力でいくらかの努力をし、自分で自分を後押ししなければならないだろう。
良い仕事を、素晴らしい仕事に変える
良い仕事と、素晴らしい仕事の差はどこにあるのだろうか。それを見極めることは、自分のパフォーマンスを引き上げるための強力なテクニックの一つだ。例えば、ハイパフォーマーが先を見越した行動するのに対し、ミドルパフォーマーが受動的に行動しているのなら、先を見越した積極性を反映する行動に力を入れよう。
あるいは、「良い仕事」が、プロジェクトがうまく進むよう支援するものであるとしたら、「素晴らしい仕事」には、自らが見本となって、他者にも同様な行動をとるように促す面がある。
まずは、上司に、社内のハイパフォーマーの特徴となる主な要素を3~5つほど挙げてもらうといい。これには、先を見越した積極性、チームワーク、共感力などの特性が含まれるかもしれない。
そうした要素を特定できたら、それぞれのスキルを磨くための、具体的で実行可能な目標を立てよう。定期的に上司にはたらきかけて、自分の進歩のほどを見てもらおう。そして、上司のフィードバックに基づいてアプローチを見直し、あなたの努力が、所属組織におけるハイパフォーマーの基準にぴったり沿うものになるようにしよう。
上司に質問する
自分の仕事について上司と1対1で定期的に話しあうことも、変化を生む効果がある。そうした対話では、良い仕事と、素晴らしい仕事の違いに重点を置き、どうすれば自分のパフォーマンスを高められるのか、具体的な例を示すといい。こんな質問を、是非とも上司に投げかけてみてほしい。「あなたが私だったら、どんなことに取り組みますか?」。これは、それほど押しの強くない質問なので、上司が答えに困るようなことはないだろう。しかも、たいていは、とても具体的なフィードバックを得ることができる。