今年のランキングでは、テイラー・スウィフトが2年連続で首位を獲得し、コールドプレイやザック・ブライアン、ブルース・スプリングスティーンらがそれに続いた。上位10組のアーティストは、合計30億ドル(約4450億円)以上をツアーから稼ぎ出した。
テイラー・スウィフトは、昨年から続く『エラズ・ツアー』で今年の年初から8月末までに65回のライブを行った。フォーブスは、これらのライブの税引き前の総収入が11億5000万ドル(約1700億円)で、コストを差し引いた収益が、昨年を1億ドル上回る4億ドル(約593億円)に達したと推定している。スウィフトの保有資産は、保守的な見積もりで16億ドル(約2380億円)に達している。
音楽業界メディアのPollstar(ポールスター)のデータによれば、今年のライブチケットの販売枚数や公演数、アーティストの総収入は、昨年から増加した。また、2024年の平均チケット価格は、過去最高の1席あたり約127ドル(約1万9000円)を記録した。
ラテンミュージックのスーパースター、バッド・バニーの代理人であるジェボー・ルイスは、「ツアーの運営コストがこれまで以上に高騰しているのは間違いない」と述べている。しかし、チケットマスターのダイナミックプライシングモデルのような販売モデルの導入によって、有名アーティストのツアーはかつてないほどの収益を上げており、「増加するコストを相殺している」と彼は付け加えた。
フォーブスは、2024年のトップ10のアーティストのツアーが1月から8月の間に前年同期比で約10%増の合計30億ドル(約4450億円)以上の総収入を記録したと試算している。今年のトップアーティストには、コールドプレイ(総収入3億200万ドル)やブルース・スプリングスティーン(同2億5000万ドル)が含まれる。
しかし、来年のトップの顔ぶれは大きく変わる可能性がある。なぜなら、スウィフトのエラズ・ツアーが12月で終了を迎え、2025年にはビリー・アイリッシュやメタリカ、BTSなどの大物アーティストがツアーを予定しているからだ。また、オアシスの再結成ツアーが来年のランキングの上位に食い込む可能性もある。
下記に2024年のトップ10のアーティストを掲載する。
1. テイラー・スウィフト
エラズ・ツアー/公演数:65回
2024年総収入:11億5000万ドル(約1705億円)/利益:4億ドル(約593億円)
テイラー・スウィフトは、今年8月末までの間に65回の公演を行ったことに加えて、4月に11枚目のスタジオアルバム『The Tortured Poets Department』をリリースした。このアルバムは、リリース後の12時間でスポティファイで最も再生されたアルバムとなり、個々の楽曲はすぐにエラズ・ツアーのセットリストに加えられ、スウィフトは、白いヴィヴィアン・ウエストウッドのドレスを着てそれらの曲を歌った。彼女のファンたちは、ライブのチケットに加えて、彼女がそのドレスを着た姿がプリントされたTシャツ(45ドル)を含むアパレルやポストカードなどのツアーグッズに合計7000万ドル(約103億円)を支払った。