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今年5月の時点ではウーバーが先んじて買収提案を行ったと報道されたが、
最終的にはBMWを含むドイツ自動車メーカー連合が買収に至った。(Courtesy of here.com)



何ヶ月にも及ぶ交渉の末、ドイツの自動車メーカー連合(アウディ、ダイムラー、BMW)が31億ドル(約3850億円)でノキアの地図サービス「HERE」を買収した。HEREはかつて米国の地図企業Navteqが所有し、ノキアが8年前に81億ドル(約1兆50億円)で買収していた。

ノキアはHEREを購入金額の半額以下で手放すことになるが、HEREの新オーナーらは安い買い物が出来たことに安堵している訳ではない。

自動車メーカーらに今後さらにこの分野での競争が待っている。HEREの高精度な地図はクルマの走行レーンの境界も検知できる高精度なものだ。これにより自動車ナビの性能は次の次元に達し、自動運転や自律的走行にも応用可能と見られている。

ガートナー・リサーチの自動運転車担当、ティロ・コスロフスキーは「今後5年で自ら駐車場を見つけるクルマや、特定の街や企業キャンパスを自律走行するクルマが市場に現れる」と予測している。その多くの製品がこのドイツの企業連合から出てくるだろう。

しかし、GoogleやApple、Uberのようなテクノロジー企業が同様なテクノロジーを開発中であることを忘れてはならない。Googleの自動運転電気自動車のプロトタイプは既にカリフォルニア州のNASAのエームズ研究センターの周りで運行されている。Appleは自律型自動車の開発を匂わせながらもHEREのオークションには参加しなかったが、自社製の地図データベースの構築に励んでいる。

そして、先月はついにUberがマイクロソフトの地図部門の一部を買収した。UberはHEREへの入札競争から下りた直後にこの買収を行った。Uberはカーネギーメロン大学と提携して研究センターを開き、無人自動車の開発も進めようとしている。

自動車メーカーらがHEREを格安な価格で買い取れた背景には、こうした動きがある。センサーの大量生産と無線追跡技術の発達で、地図テクノロジーは以前よりもかなり安価になったのだ。

交通情報とナビゲーションアプリのWazeは数年前にこの流れを証明している。Wazeは数百万のユーザのGPS座標を追跡しオリジナルの地図を作成し、クラウドソーシング的な手法で地図を作成した。GoogleはWazeを2013年に11億ドル(約1365億円)で買収している。

前出のガートナー・リサーチのコスロフスキーは「従来の地図の作成方法は時代遅れになりつつある。自動車メーカーらのHERE買収は、理にかなったタイミングだと思える。しかし、今回の買収は彼らに一時的な利益しかもたらさないだろう」と述べた。

「30億ドルを3社で割れば大した金額にはならない。彼らがこの分野でリードを維持することに真剣であることを示すには適切な買い物と言える。また、重要な技術は自動車業界の中で抱え込んでおくべきという考え方も当然だろう」

コスロフスキーは続けた。
「しかし、Uberのようなテクノロジー企業が自動車業界の脅威であることには変わりがない。彼らがHEREの買収に金を注がねばならなかった理由がここにある。また、HERE買収したからといって、問題がそれで終わるわけではないのだ」

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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