変化に満ちて、先が見通しにくい時代だからこそ、より自律的に考え・行動する、そんな人が求められている。では、そんな自律的な人をどう育てていけばいいのか、そんな人を育む組織になるためには何を大切にしていけばよいのだろう──。
経済産業省近畿経済産業局が推進する「BE THE LOVED COMPANY PROJECT」から、京都市にある建仁寺塔頭両足院にて「愛される会社」がもつ組織の価値に向き合うために開催されたイベント「The DIALOGUE」のセッション後編をお届けする。
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後編では、「組織のネコ」という働き方を提唱する仲山考材 代表取締役/楽天グループ 楽天大学学長 仲山進也とともに、創業100年を迎えた木村石鹸工業代表取締役社長の木村祥一郎と、創業90年の東海バネ工業代表取締役社長 夏目直一が、「ネコ」が活躍できる組織文化のつくり方について語った。
「昭和99年型の会社」と「令和6年型の会社」
仲山:まず、いくつか「組織のネコ」についての質問があるので、それに僕が答えた後、木村さん・夏目さんには、お話してもらおうと思います。
Q.こじらせたイヌやネコの対処法を教えてください。
仲山:そもそも会社には2種類あって、「昭和99年型の会社」と「令和6年型の会社」があります。
「昭和99年型の会社」は、昭和に立ち上がった事業に固執していて、(事業として)賞味期限が切れかかったり、切れたりしてしばらく経っているにも関わらず、なんとか引き延ばしていけないかとやっている会社ですね。平成を超えて令和の時代になっても、賞味期限が切れた、例えるなら腐っている食べ物を一生懸命配るような仕事をやっているので、世の中の人に喜ばれないし、業績も伸びないし、仕事もつまらない。そういうことが起こっているとすると、会社にいるイヌもネコもこじらせますよね。
そういう昭和99年型の会社では、イヌの皮を被っている隠れネコが最初にこじらせ始めます。もともと自分の本性ではないけど、働く時はイヌの皮を被って働いて、それで給料も伸びていたからよかったわけです。でも、賞味期限が切れて「言われたことをやっても結果が出なくて、やっていることの意味がわからない」となると、隠れネコはこじらせ始めてメンタルダウンしたりします。