「かねてから」は正しい敬語？「かねてより」との違いを解説！ビジネスシーンでの使い方と例文付きで詳しく説明
ビジネスシーンにおいて、よく耳にする「かねてから」や「かねてより」という表現ですが、それぞれの意味や使い方に違いがあり、どちらが正しい敬語表現か迷うこともあります。本記事では、「かねてから」と「かねてより」の違いに加え、それぞれのビジネスシーンでの使い方や正しい敬語表現かどうかについて詳しく解説します。
「かねてから」は正しい敬語？
「かねてから」は、厳密には正しい敬語とは言えません。「かねて」という言葉自体に「以前から」という意味が含まれているため、「から」を付け加えることで意味が重複してしまいます。このため、文法的には不適切とされ、特にフォーマルな文書やビジネスメールでは避けるべき表現です。
例文: 「かねてからお伝えしていた件について進捗状況をお知らせください。」（×） →「かねてよりお伝えしていた件について進捗状況をお知らせください。」（〇）
このように、ビジネスの場や公式な文章では「かねてから」よりも「かねてより」が推奨されます。
「かねてより」は正しい敬語
一方、「かねてより」は正しい敬語として認められています。「かねて」は「以前から」という意味を持ち、「より」はその起点を表す言葉です。重複表現とはならず、特にビジネスシーンやフォーマルな場面で頻繁に使われる表現です。
例文: 「かねてより進めていたプロジェクトが完了しました。」（〇）
このように、「かねてより」は正しい敬語表現として、ビジネスメールや公式な報告書などで安心して使うことができます。
「かねてから」と「かねてより」の違い
1. 重複表現の問題
「かねてから」は「かねて（以前から）」に「から（以前）」が付くため、意味が重複してしまいます。これは、丁寧に言いたい意図があったとしても、不自然な表現と受け取られることがあります。特にフォーマルなビジネスシーンでは、このような重複表現を避けるべきです。
2. 「かねてより」は重複表現ではない
「かねてより」は「かねて（以前から）」に「より（起点を示す）」が組み合わさっており、文法的に問題がないため、ビジネスシーンやフォーマルな場面で安心して使用できます。上司やクライアントへの報告、依頼、進捗確認などの際に丁寧で適切な表現です。
「かねてより」を使う際の注意点
「かねてより」はビジネスシーンで正しい表現として広く使われますが、使う際に注意が必要な点もあります。たとえば、他の言葉と組み合わせる際に、意味が重複しないように気をつけることが重要です。
1. 重複表現にならないようにする
「かねてより」に「以前から」や「前々から」などを重ねてしまうと、意味が重複してしまいます。これにより、相手に違和感を与える可能性があるため、シンプルかつ正確な表現を心がけましょう。
例文: 「かねてよりお伝えしていた件、進捗状況はいかがでしょうか。」（〇）
2. 丁寧な言葉と組み合わせる
「かねてより」は敬語として正しい表現ですが、特に目上の人やクライアントに使用する場合には、丁寧な言葉と組み合わせることで、より礼儀正しい印象を与えられます。
例文: 「かねてよりお願いしておりました件について、ご確認いただけますと幸いです。」（〇）
「かねてより」のビジネスシーンでの使い方
「かねてより」はビジネスシーンで幅広く使われ、進捗報告や依頼、プロジェクトの発表など、様々な場面で活用できます。以下は具体的な使い方例です。
1. 進捗報告
「かねてより」は、過去から現在まで続いているプロジェクトや業務について報告する際に使用できます。進捗状況を丁寧に伝えたい時に適しています。
例文: 「かねてより進めておりますプロジェクトは、順調に進行中です。」
2. 依頼
「かねてより」は、以前から依頼していた内容について確認を促したり、追加の依頼をする際に使用できます。相手に対して丁寧な依頼を行うことができ、ビジネスシーンにおいて非常に便利な表現です。
例文: 「かねてよりご依頼しておりました件について、進捗状況をお知らせいただけますでしょうか。」
3. プロジェクトの発表
プロジェクトの発表や新しい計画の進展を報告する際にも「かねてより」を使うことができます。過去の準備や計画が現在に至っていることを丁寧に伝えられます。
例文: 「かねてより計画しておりましたイベントの詳細が決定いたしましたので、お知らせいたします。」
まとめ
「かねてから」は重複表現であり、正しい敬語ではないため、特にビジネスやフォーマルな場面では使用を避けるべき表現です。一方、「かねてより」は正しい敬語であり、丁寧に過去からの進展を伝えたい場面で活用できる表現です。ビジネスシーンでは、「かねてより」を積極的に使うことで、相手に丁寧かつ的確な印象を与えることができます。使い方に注意しつつ、適切に活用していきましょう。
