ネットフリックスは米国時間10月17日に2024年会計年度の第3四半期決算を発表する予定だ。私たちは、今決算におけるEPS(1株あたりの純利益)は、市場予想とほぼ同じ5.10ドル程度(前年比37%増)になると予想している。また、収益は市場予想を若干上回る、前年比14.5%増の約98億5000万ドル(約1兆4500億円)と予想した。
本稿では、ネットフリックスの業績を牽引する可能性のあるトレンドについて解説する。
1人当たりの収益は横這いか
ネットフリックスは有料でのアカウントシェア機能による影響を初めて受けた2023年第3四半期と比べ、有料会員数の増加数は前四半期と比べ落ち込むと予想している。先述した有料でのアカウントシェア機能など、ネットフリックスによるユーザーのパスワード共有の取り締まり強化により、ユーザーは実質的に、世帯外のアカウント共有に対して料金を支払うか、新規アカウントを契約することを余儀なくされた。しかし、同社は月額わずか7ドル(日本では790円)という価格という広告付きプランを展開しており、より価格に敏感なユーザーを引き付けている。さらに、この広告付きプランでは、広告収入の増加分が安いプラン料金を提供することのマイナス分を相殺するため、一部の広告なしプランよりもユーザー1人当たりの収益は増加する見込みとされている。
前四半期、ネットフリックスは広告なしのベーシックプランを廃止し、ユーザーをエントリーレベルの広告付きプランに移行させると発表した。とはいえ、ネットフリックスは、ドル高による逆風と、米国よりも月額料金の安い海外市場におけるユーザーの増加により、第3四半期における会員1人当たりの平均収益は前年同期比でほぼ横ばいになるとの見通しを示している。