結果は大失敗だった。ロシア軍はMT-LB装甲牽引車17両、戦車3両、歩兵100人超という1個大隊の半分規模の兵力で、施設30棟からなる工場の敷地の北西に位置するウクライナ軍陣地に突撃したが、ウクライナ軍の火力の壁にぶつかった。
ウクライナ陸軍の第57独立自動車化歩兵旅団は、擲弾(てきだん)を投下するドローン(無人機)などで敵の突撃部隊を撃破した。煙が晴れると、大破したMT-LB16両と戦車1両が無惨な姿をさらしていた。くすぶる残骸のそばには、ずたずたになったロシア兵の遺体が文字どおり積み重なっていた。
「兵士たちはいま、歩兵の残党を始末している」。ウクライナのある軍事ブロガーはそう報告している。
0:02 Vovchansk aggregate Plant
— imi (m) (@moklasen) September 30, 2024
50.291467, 36.940182 destr. MT-LB with infantry@UAControlMap @GeoConfirmedhttps://t.co/4m7rbrIUoP
reference:https://t.co/JJOiUqOZMM (0:57) https://t.co/aesuaoWLMP pic.twitter.com/jgqMdhHGMb
だが、ロシア側は、第57自動車化歩兵旅団の擲弾投下ドローンが、寄せ集まった機械化部隊にどれほど大きな損害を与え得るかを甘く見ていたようだ。ウクライナはドローンから落とす弾薬も着実に改良しており、より高感度の信管や、より高性能な爆薬を採用するようになっている。車両の上に乗って工場に近づいてきたロシア兵たちは、地雷からは比較的守られていたかもしれないが、ドローンに対しては破滅的なほど弱かった。
これは今回の突撃部隊に限らず、ロシア軍全体の問題でもある。ロシア軍はウクライナに対する全面戦争の開始から2年7カ月あまりの間に、MT-LBよりは新しく装甲の厚いBMP歩兵戦闘車を何千両と失ってきた。その損失の一部を補うために、1970年代製の古いMT-LBを長期保管施設からどんどん引っ張り出している。