ニューヨーク大学のソーシャルメディアと政治を研究するグループ(CSMaP)の研究者たちは、X(旧ツイッター)に投稿された記事の拡散状況を分析し、プロ向けのファクトチェッカーを用いてその記事の信頼度を確認した。
彼らはXのユーザーがフォローしているアカウントからそのユーザーのイデオロギー的な属性を推測した。さらに、一般のネットユーザーを対象としたアンケート調査を通じて、その記事が真実であるかを評価した。
その結果、誤情報は保守やリベラルを問わず幅広い読者にリーチしているが、それを信じ込む傾向は、極端な政治信条を持つ人々の間で強く、それらのニュースに拡散の初期段階で飛びつく傾向も、これらのグループの人々に強く見られることが判明した。
また、誤情報の拡散を抑えるためには、拡散の初期段階で対処を行うことが重要であることも指摘されている。
一方、プリンストン大学とユタ大学のチームは、「自分は誤情報を見抜くのが得意だ」と考えている人ほど、誤情報に騙される傾向があると述べている。この2大学の研究によると、米国人の約5人に1人は、自分の誤情報を見抜く能力を、実際のスコアよりも50パーセント以上高く評価していた。
「米国人は、誤情報による混乱が広がっていると考えているが、実際にそれを見たり共有したりしたと答える人は比較的少ない。自分が誤情報の見分けに優れていると誤解している人々は、特に自分の世界観に合致する情報であれば、無意識のうちにそれを拡散しやすい傾向がある」と、ユタ大学のコミュニケーション学の助教授のベン・ライオンズは述べている。
彼はまた、「多くの人々は、自分が誤情報に対してどれだけ脆弱であるかに気づいていない」と指摘した。
(forbes.com 原文)