英国では1990年当時、石炭が電力の80%を占めており、2012年時点でも39%に上っていた。ところが昨年、英国の電源構成は、天然ガスが34.7%、風力と太陽光が32.8%、バイオマスが11.6%、原子力が13.8%で、石炭はわずか1%にまで縮小した。そして先月、同国最後の石炭火力発電所が運転を終了したことで、石炭が電力に占める割合はゼロになった。
同国の石炭火力発電の廃止は2025年に予定されていたが、2021年に英グラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、当時のボリス・ジョンソン首相が1年前倒しすることを宣言した。
英エネルギー・気候情報機関(ECIU)でエネルギー部門を率いるジェス・ラルストンは、電源構成から石炭がなくなると停電が起こると警告する人たちもいたが、そうした悲観的な予測は間違っていたことが繰り返し証明されてきたと指摘した。これと同様、アームストロング会長が1863年に科学者を前に行った石炭の衰退を予言する演説も、長年にわたって生き残ってきた。
(forbes.com 原文)