グーグルは9月30日の声明で、バンコクとタイ東部のチョンブリー県でデジタルインフラ施設を開発する予定だと発表した。このプロジェクトは、人工知能(AI)アプリケーションへのアクセスを向上させ、タイ国民にデジタルスキルを提供することを目的としている。
デロイトの最近の調査によると、グーグルのタイでの最新の投資は、2029年までにタイのGDPを40億ドル押し上げる効果が見込まれ、2025年から2029年にかけて年間平均1万4000人の雇用を創出する可能性があるという。バンコクとチョンブリーの施設は、クラウドコンピューティングとAIのイノベーションに対する需要の高まりに応えるとともに、検索やマップ、Google Workspaceなどの同社のデジタルサービスの利用拡大を促進することが期待されている。
グーグルは6月に、タイのガルフ・エナジーと提携し、タイ国内でGoogle Distributed Cloudを提供すると発表した。両社は、Google Cloudのエコシステム内で追加のサービスを開発する計画も立てており、将来的にはAIやサイバーセキュリティソリューションへの展開も検討されている。
グーグルは、タイでの取り組みに加えてクアラルンプール北部のセランゴール州にあるエルミナ・ビジネスパークで20億ドルのデータセンターとクラウドインフラの建設を開始した。5月に発表されたこのプロジェクトは、2030年までにマレーシア経済に32億ドル以上の影響を与え、2万6500人の雇用を創出することが見込まれている。
グーグルは、東南アジアの重要性が増していることを背景に、この地域への投資を強化しており、6月には、シンガポールでのデータセンターおよびクラウドインフラへの投資額を50億ドル以上に引き上げる計画を発表した。これは2018年の8億5000万ドルから5倍以上の増額となる。
アマゾン、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど他のハイテク大手も、人口が約6億7500万人の東南アジア地域への投資を加速させている。特にマレーシアは、地域で最も成長著しいデータセンターハブとなっており、マレーシアのYTLパワーは、エヌビディアと提携し、シンガポールの北に位置するマレーシア南部のジョホール州にAIを活用したデータセンターを建設する予定だ。
(forbes.com 原文)