「再エネ業界のウーバー」目指す台湾のスマート電力企業HDREの挑戦

HDREは、発電や蓄電システムの構築以外にも、電力の販売を行っている。「我々は、発電や蓄電から充電インフラまで、エンド・ツー・エンドのサービスを提供し、再生可能エネルギー業界のウーバーになることを目指している」とチョウは述べている。

彼と共同創業者のシェ・ユアンイは、2016年にHDREを立ち上げる前、全く異なるビジネスを運営していた。2人は、台湾南部の仏教博物館で土産物を販売していたのだ。当初は利益を出していたが、赤字が積み重なり、閉鎖に追い込まれたという。

チョウとシェは失敗にめげず、新たな事業の立ち上げを目指した。その後、2人はアジアにおけるグリーンエネルギーの可能性を見出し、家族や友人から資金を集めてアジア各地で太陽光発電所の建設を始めた。彼らは、日本、韓国、中国本土、ベトナム、フィリピンを訪れ、ビジネスの可能性について交渉した。

最も成功した投資は、日本の関西地方と東京でのものだったという。彼らはその後、台湾が二酸化炭素排出量の削減目標を掲げ、持続可能エネルギーの促進を開始したことを受け、それまで培った経験とノウハウを母国に持ち帰った。

HDREの発電プラントの総面積は1500ヘクタールに達し、発電量は1.5ギガワットを超える。「世界中の誰もが脱炭素に向けた指標について話しているが、グリーンエネルギーがなければ取引は成立しない。グリーンエネルギーを使わなければ、多額の炭素税を払う必要がある」とチョウは話す。

「我々はソフトウェア・プラットフォームを開発し、強力なブランドを確立し、他国でのビジネスチャンスを探ってリーチを拡大していきたい」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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