海外

2024.10.02 13:00

香港のフィンテック新興「RD Technologies」に旧セコイア・チャイナらが投資

RDテクノロジーズを2020年に創業したノーマン・チャンは、香港金融管理局の元CEOで、かつてはスタンダードチャータード銀行のアジア副会長を務めていた。同社が企業向けに開発したモバイルウォレットは、複数の法定通貨の国境を越えた送金や外国為替を可能にしている。同社はこれまで、暗号資産ベンチャーキャピタルのドラゴンフライ・キャピタルや暗号資産分野のユニコーンである香港のハッシュキー・グループ、中国のZhongAn Online P&C Insurance(衆安在線財産保険)の子会社であるZhongAn Digital Asset(衆安デジタルアセット)などの支援を受けてきた。

香港当局のステーブルコインの試験

RDテクノロジーズはここ最近、暗号資産分野に進出し、7月に香港金融管理局によるステーブルコインをクロスボーダー決済に用いるためのテストへの参加を許可された。この規制当局のテストには他に、中国のJD.comの子会社であるJingdong Coinlink Technology Hong Kongや、香港の通信事業者のHKT、香港のブロックチェーンゲームのユニコーン企業、アニモカ・ブランズらが参加している。

ステーブルコイン市場は現在、米ドルに連動するテザーのトークンのUSDTとサークルのトークンのUSDCが支配している。これらのトークンは暗号資産市場の高いボラティリティに対抗して安定性を提供することを約束しているが、過去には混乱を引き起こしてきた。

最も大きな失敗例はTerraUSDであり、2022年に1ドルのペグを維持できず、暗号資産市場で600億ドル(約8兆6000億円)の損失を引き起こした。一方で、サークルのUSDCは、2023年に崩壊したシリコンバレー銀行に33億ドル(約4760億円)が留まっていることが明らかになったことで一時的にドルとのペグを失い、その安定性に対する疑問が浮上していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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