Q.世界で最も多くのワインをつくっている国は? おそらくフランスアメリカなどと答える人が多いだろうが、正解はイタリア。その生産量は年間で約50億リットルと、2位のフランス(約46億リットル)とともに、3位のスペイン(約36億リットル)を大きく引き離している。
そのイタリアの代表的なワインといえばキャンティ、バローロ、ブルネッロなどの赤ワインがまず浮かぶ。が、今回はトスカーナやピエモンテとも並ぶワイン産地として知られている、イタリア最大の州であるシチリアに注目してみたい。
「シチリア産ワインの魅力はまず多彩なバリエーションです。海沿いから標高1000mまで、さまざまな環境にブドウ畑があることで、フレッシュに飲めるカジュアルなワインから、熟成に適した骨格のしっかりしたワインまで、さまざまなタイプのワインが楽しめます」と語るのは、イタリア料理店「シチリア屋」(東京・白山)オーナーシェフの大下竜一。シチリア島にはおよそ500ものワインメーカーがあり、また土着品種も65種ほどあるとされるので、そのワインがいかに多種多様であるか、想像に難くない。
「なかでもこの『ドンナフガータ ルメラ』は、ほどよい酸とタンニンがさまざまな料理に寄り添い、ともに高めてくれるような名バイプレイヤー。当店では月ごとにグラスワインリストを新しくしているんですが、ついこの一本は入れたくなってしまう。(リストを)変えたいという気持ちと、(ワインを)入れたいという気持ちで常に揺れ動いています(笑)」
この日、合わせてくれたのは、シチリア原産のハーブであるフィノキエットに、卵、ペコリーノチーズなどを合わせて団子にし、一度揚げてからトマトソースで煮て、松の実とレーズンをトッピングするという、名物「フィノキエット団子」。フェンネルの野生種と紹介されることも多いフィノキエットの清涼感と甘みが口いっぱいに広がる一皿を、「ドンナフガータ ルメラ」が確かに受け止め、そのおいしさを互いに増幅させるよう……大下シェフのシチリアへの愛を存分に感じさせるペアリングであった。
「ドンナフガータ」といえば魅力的な女性をデザインしたエチケットでも知られているが、この「ルメラ」は愛をテーマにしたシチリア派の詩人ジャコモ・ダ・レンティーニのソネット(詩)に登場する女性の名前なのだとか。太陽に愛されたシチリアのロゼを飲みながら、心までほんのり薔薇色に染まっていきそうだ。
ドンナフガータ ルメラ 2023
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容 量|750ml
品 種|ネロ・ダヴォラ、シラーほか
価 格|3080円(税込参考小売価格)
問い合わせ|クリオ・インターナショナル 03-6434-5301
今宵の一杯はここで
シチリア屋
東京で出会えるシチリアの郷土料理
![「自転車でシチリアを一周しながら多くの郷土料理に出会いました」と大下竜一シェフ](https://images.forbesjapan.com/media/article/74041/images/editor/5c6467f50e617cc01980776f367f72b29cffb589.jpg?h=750)
![「フィノキエット団子」は2750円~8800円(税 込)コースの一皿](https://images.forbesjapan.com/media/article/74041/images/editor/fed8bedc3805614a71f565dd32008926da3d6ed2.jpg?w=1200)
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/74041/images/editor/ed8530c481971bdbf0790e779cb61c9d3469a59a.jpg?w=1200)
シチリア屋
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