北米

2024.10.01 12:00

生成AIアートの「著作権を認めない」米当局とクリエイターの戦い

Getty Images

これに対し、AI企業は訴訟を全面的に棄却するよう裁判所に求めた。ランウェイは、アーティストたちがAIモデルを用いて自分の作品と全く同じコピーを作成することができなかったと主張している。スタビリティAIは、アートのスタイル自体は著作権で保護されないと主張し、AIモデルは、アート作品ではなくコードの一部であるため著作権を侵害していないと述べている。また、ミッドジャーニーの弁護士はそのAIモデルをコピーマシンに例え、基盤となるテクノロジーそのものは、著作権を侵害していないと主張している。

著作権局の判断

こうした問題の一部は、AIが所有権や知的財産にとって何を意味するのかに対処しようとする著作権局の判断に委ねられている。150年の歴史を持つ著作権局は、AIが引き起こした現代の問題に対して何世紀も前に制定された法律をどのように適用するかを検討している。同局は、AIシステムのトレーニングに著作権で保護された作品を使用することが違法なのか、それとも多くのAI企業が主張するようにフェアユース(公正な使用)に該当するのか、またAIの助けを借りて作成されたどのような種類の作品が著作権で保護されるのかを検討している。
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2023年3月に著作権局は、完全にAIのみで生成された作品には著作権登録を行わないという決定を下した。しかし、それでもAIを利用しつつも人間の著作と創造性が一定レベルで示されている作品についてはまだ検討の余地がある。今年2月に同局は、AIの使用が多すぎて人間のインプットが不十分だと判断された作品をブロックする一方で、歌詞や文章、ビジュアルなどに生成AIの要素を含む100点以上の作品の著作権登録を許可した。

著作権局の判断に異議を唱えたのは、アレンだけではない。4月には、ChatGPTを使って自身の本を執筆し、Amazonでセルフパブリッシングしたエリサ・シュープが、生成AIのテキストの選択と配列に関する著作権を取得するための訴えを起こし、勝訴したとWiredが報じた。

アレンは、例えばある作品が、1回のプロンプトのみで生成されたものであっても、その作品は著作権法で保護されるべきだと考えている。
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「私たちが、どれだけ努力したかを証明する必要はない。あなたがAIツールを補助的な道具として使用して、何かを創造したのであれば、あなたは、その作品の著作者でありクリエイターなのだ」とアレンは主張している。

アレンは現在、自身のオンラインギャラリーを運営し、AIツールの助けを借りて生成したイラストのプリント版を販売している。自身をアーティストではなくデジタルクリエイターと呼ぶ彼は、AIの助けを借りて生み出したすべての作品が、著作権で保護されることを望んでいる。「ミッドジャーニーのすごいところは、アーティストでなくてもアートを作れるようにした点だ」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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