アート

2024.10.19 15:00

文化の交差点としてのアートフェア、Tokyo Gendaiの場合

第2回Tokyo Gendaiは7月4〜7日に開催され、世界40の国・地域から来場者を迎えた。初日、関係者からは「昨年よりギャラリーや作品の質が上がった」という声も聞かれた。

第2回Tokyo Gendaiは7月4〜7日に開催され、世界40の国・地域から来場者を迎えた。初日、関係者からは「昨年よりギャラリーや作品の質が上がった」という声も聞かれた。

企画展、芸術祭、オークション、コレクションなど多彩な話題が飛び交うアートの世界。この連載では、毎月「数字」を切り口に知られざるアートな話をお届けしていく。このところ存在感を増しているアートフェアについて、ある創設者に思いを聞いた。
第2回Tokyo Gendaiでは、幅広い価格帯で多くの作品が購入された。公表されている最高額は、今秋東京にオープンするPaceギャラリーが出した ロバート・ロンゴの新作ドローイングで、75万ドル。同ギャラリーは同作家の作品を完売し、ほぼすべてが日本のコレクターの手にわたったという。

第2回Tokyo Gendaiでは、幅広い価格帯で多くの作品が購入された。公表されている最高額は、今秋東京にオープンするPaceギャラリーが出したロバート・ロンゴの新作ドローイングで、75万ドルだった。

この数年で「アートフェア」について耳にする機会が増えたと感じないだろうか。近年のアートへの関心の高まりと連動して、その売買プラットフォームとしてのフェアに人が流れている。

とはいえ、そこは売り買いするだけの場ではない。会場にはテーマを設けた作品展示やアーティストを招いたトークセッション、子ども向けのプログラムなども用意されており、ちょっとアートに興味がある人でも楽しめるものになっている。

「それでも、フェアにとってのクライアントはギャラリーです。出展した彼らの成果にならなければ継続できなくなってしまうので」と言うのはTokyo Gendaiの共同創設者、マグナス・レンフリュー。言い換えれば、ギャラリーの満足のためにいかに著名コレクターや美術館関係者、未来の購買層を呼べるか、が根底にある。
マグナス・レンフリュー◎The Art Assembly共同会 長兼グローバルディレクター /Tokyo Gendai共同創設者。 長年国際アートの世界で活躍、複数のフェアを手がける。

マグナス・レンフリュー◎The Art Assembly共同会 長兼グローバルディレクター /Tokyo Gendai共同創設者。長年国際アートの世界で活躍、複数のフェアを手がける。

“世界水準のアートフェア”として2023年に誕生したTokyo Gendaiは今年も7月初旬に横浜で開催され、特にVIPである初日は昨年よりも来場者の国籍も幅広く、活気があるように映った。セールスとしても、ロバート・ロンゴの新作の75万ドル(約1.1億円)など、二桁万ドルの作品も多数売れ、主催側が出したレポートによれば昨年より総売り上げも大きそうである(明確な数字は非公開)。
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文=鈴木奈央 書=根本充康

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