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2024.10.10 14:30

アジアNo.1のパートナー管理クラウドへ、リクルート出身起業家が仕掛けたパートナープロップ

(写真左)坂田卓也|デライト・ベンチャーズ(同右)井上拓海|パートナープロップ

井上拓海は2023年5月、「共創関係を深め、新たな社会を創出する」を掲げ、パートナープロップを設立。同社は、販売代理店などを通じたパートナービジネスを最適化するためのPRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)クラウド「PartnerProp」を開発・提供。パートナーの契約情報や育成状況、営業状況を一元的に管理することができるSaaSで、すでに大企業などで導入が進んでいる。

デライト・ベンチャーズは、パートナープロップが総額2.3億円を調達した24年3月のシードラウンドに参画。同VCパートナーの坂田卓也が投資した理由とは。


坂田:初めて面談したとき、プロダクトの完成度の高さに驚きました。PRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)は、まだ日本に普及してない概念ですが、井上さんは現場の課題を深く理解して、プロダクトに落とし込んでいた。シードラウンドのスタートアップでここまでできるのかと思いました。

井上:私は前職がリクルートで、決済サービス「Airペイ」やPOSレジアプリ「Airレジ」を扱うSaaS事業部でパートナービジネスに立ち上げから携わってきた経緯があります。販売代理店や取次店に自社のプロダクトを売ってもらうわけですが、パートナーの立場からすると、ほかにもいろんな商材を扱っているわけで、必ずしも営業に力を入れてくれるわけではありません。そこで、情報の可視化などを通じて、パートナービジネスを加速させる仕組みがPRMです。

セールス領域のSaaSでは、セールスフォースの「The Model」という社内の営業効率を上げる仕組みが有名ですが、PRMはこれを社外のパートナー企業向けにも展開するイメージですね。

坂田:私も前職の凸版印刷でアライアンスを担当することが多かったので、パートナービジネスの課題感は肌で感じていました。アライアンスを組んでから、どう伸ばしていくかが大事なのに、ニュースリリースの発表がピークで、実際はうまくいかないケースも少なくないですよね。その意味で「PartnerProp」は、かゆいところに非常に手が届くプロダクトだと思います。

井上:パートナービジネスにはアクティベートとイネーブルメントという2つの概念があります。PRMツールを提供している会社はほかにもありますが、これまではパートナーがすでに稼働していて、案件数や受注率を可視化・分析するという後者に重きが置かれていました。しかし、本質的な課題は前者のほうで、そもそもパートナーが稼働してくれていない状態を解消することが重要です。

PartnerPropは、簡単にパートナー向けの研修動画やウェブテストなどの学習プログラムツールがつくれる機能を備えています。そのため、アクティベートとイネーブルメントの両輪を回していくことができます。
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文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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