Amazonプライム・ビデオで配信されている自動車番組『The Grand Tour(グランド・ツアー)』最終回の上映会が、英国のクラークソンが経営するパブで行われた後、クラークソンが来場者の質問に答える形で、今まで秘密にされてきた「3代目スティグ」の正体は、現在ヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦中の英国人プロレーシングドライバー、フィル・キーンであることが明かされた。キーンは英国GTレースの歴史で最も成功したドライバーであり、最上位クラスでこれまで三度、年間二位の戦績を残している。
初代スティグは、ル・マン24時間をはじめとするGTレースに参戦し、F1グランプリにも出走した経験を持つ英国人ドライバーのペリー・マッカーシーだった。2代目スティグは、英国のレーシングドライバーで映画のスタントドライバーも務めるベン・コリンズだった。
マッカーシーのスティグは、黒いレーシングスーツとヘルメットを着用する唯一の「ブラック・スティグ」として知られるが、わずか2シーズンしか出演しなかった。コリンズは、2010年に英国で出版された自叙伝『The Man in the White Sui(白いスーツの男)』で自分がスティグの正体であると明かしたことで、『トップ・ギア』から実質的に解雇されている。
クラークソン、そして『トップ・ギア』の魅力
ジェレミー・クラークソンのことを好きにならない人がいるだろうか。この共同司会者は自分が好きなものを好きだと言う。自分が嫌いなものについては、私たちが期待するとおりの英国人だけが適切に習得できる侮蔑で表現する。例えばこんなふうだ。「レクサスESなんとか」は「ビジネスマンのスーツを着たプリウス」であり、その性能は「スピードという概念とは顔見知りですらない」と言ったりするのだ。これは、彼が番組を担当していた長年の間に問題を引き起こした数々の発言に比べたら穏やかな部類であり、その毒舌はクルマに関することに留まらない。