宇宙

2024.09.29 12:00

紫金山・アトラス彗星を撮影しよう カメラ設定のヒント、スマホで挑戦する方法も

米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士マシュー・ドミニクが、国際宇宙ステーション(ISS)から高感度カメラで長時間露光撮影した紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。(NASA/Matthew Dominick)

今年最大の彗星で、世紀の大彗星になるかもしれないといわれている「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」到来のニュースを耳にして、どうにかうまく撮影できないかと悩んでいる人もいるだろう。観測を報告する写真が公開され始めているが、いずれもすばらしい出来栄えだ。

9月27日に最も太陽に近づく「近日点」を通過した後は、北半球でも観測しやすくなる。北半球からの紫金山・アトラス彗星の観測・撮影に必要な情報を以下にまとめた。

撮影のタイミング

紫金山・アトラス彗星を北半球から観測するチャンスは2回に分けて訪れる。いずれも見えるのは地平線近くだが、ビルや山の上からなら問題なく撮影できるはずだ。

・9月27日~10月4日

紫金山・アトラス彗星は27日、太陽まで約5800万kmの距離で近日点に到達する。この日から来月4日まで、日の出前が観測・撮影の好機となる。ただし、それほど明るくは見えないだろう。

・10月12日~31日

彗星は来月12日に地球から約7100万kmの距離まで最接近する。10日ごろから月末までの日没後が観測・撮影の絶好の機会だ。この期間は彗星が最も明るさを増す可能性が高く、非常に明るくなると予測されている。

ベストな戦術は、日の出前または日没後の限られた時間帯に、とにかくすばやく撮影することだ。

逆三日月と彗星の共演を撮影する

9月30日と10月1日の2日間は、明け方の空で逆三日月と紫金山・アトラス彗星がランデブーするため、最高の写真が期待できる。

細い月は、地球で反射した太陽光に照らされて欠けた部分がうっすらと影のように見える「地球照」を伴っているだろう。尾を引く彗星と、はかない月の地球照を、ぜひとも一緒にカメラに収めよう。

彗星撮影、プロの助言は

天体写真家のオリー・テイラーは「今後数週間の北半球で観測可能な時間帯を調べてみた。赤道に近い場所では、9月下旬の夜明けに見える可能性がある。日の出直前のひとときだ」と述べている

「より見えやすいのは10月中旬だろう。観察場所にもよるが、そのころ彗星は日没から1時間半後ぐらいまでの短い時間、西の空の高度4~8度付近に見えるだろう」
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翻訳・編集=荻原藤緒

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