宇宙

2024.09.29 12:00

紫金山・アトラス彗星を撮影しよう カメラ設定のヒント、スマホで挑戦する方法も

米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士マシュー・ドミニクが、国際宇宙ステーション(ISS)から高感度カメラで長時間露光撮影した紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。(NASA/Matthew Dominick)

必要な撮影機材

彗星がよほど明るくならない限り、撮影にはスマートフォンよりも高性能な機材が欲しいところだ。最高の写真を撮影したければ、マニュアル設定で絞り値、ISO感度、シャッタースピード、フォーカスを変更できるデジタル一眼レフカメラかミラーレス一眼カメラを交換レンズとともに使用するのが望ましい。
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地上の風景とともに彗星をとらえた写真を撮影したいなら、広角レンズは欠かせない。彗星に焦点を絞って、よりテクニカルな天体写真を撮影するのであれば、ズームレンズが必要となる。多くの天体写真家は、小型の望遠鏡にマニュアルカメラを取り付けて使っている。

いずれにしても長時間露光が必要なので、必ず三脚を使用すること。

明け方の空の高度3.5度付近でとらえた紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。2024年9月25日撮影(C messier via Wikimedia)

明け方の空の高度3.5度付近でとらえた紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。2024年9月25日撮影(C messier via Wikimedia

鮮明な彗星写真を撮影するには

彗星はぼんやりとした淡い天体なため、ピントを合わせるのが難しい。しかし、ピントをしっかり合わせて撮影しないと、背景となる星々がぼやけてしまい、いかにも素人くさい写真になってしまう。鮮明な彗星写真を撮影する4つのコツを紹介しよう。
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・オートフォーカス機能(「風景撮影」モードなど)を利用して昼間のうちに遠くにしっかりピントを合わせ、その後オートフォーカス機能をオフにしてレンズには触らずにおく。レンズが動かないようにテープで固定しておくのもよい

・適当な星にピントを合わせる。月を使うのも手だ。カメラのライブビュー機能を使って、星や月にパンし、しっかりピントを合わせた後、彗星に再度パンする

・街灯や少し離れた民家の明かりなど、約30~40m離れた人工光源にピントを合わせ、ライブビュー機能(オートフォーカス機能でも可)を使ってしっかりピントを合わせる

・レンズのピントを無限遠に設定する。距離目盛を∞の記号に合わせよう。レンズによって正確にピントが合う場合と合わない場合がある

彗星の撮影では、カメラの設定をいろいろと試してみることが大切だ。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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