その後、ロシア軍も同様のドローンを用いるようになり、このほどウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ブフレダルへの最後の押し込みにも投入した。
ロシア軍のドローン部隊「ボストーク」は26日未明ごろ、廃墟と化しているブフレダル郊外の樹林帯をドラゴンドローンが燃やす映像をソーシャルメディアに投稿した。おそらくこの樹林帯には、ブフレダルの守備隊であるウクライナ陸軍第72独立機械化旅団が塹壕を掘っていたのだろう。
Video of a Russian FPV dropping thermite near Vuhledar. 2/https://t.co/n99BuHdj77 pic.twitter.com/j7EzszU0jf
— Rob Lee (@RALee85) September 26, 2024
ロシアがウクライナで拡大して2年7カ月たつ戦争では、双方が偵察・監視や敵領内深部への遠距離攻撃、前線での短距離攻撃などにドローンを使用してきた。ドラゴンドローンは従来のドローン戦術に新たな要素を加えた。このドローンは目標を破壊する実用的な兵器であると同時に、敵に恐怖を与える心理的な兵器でもあるのだ。
金属焼夷剤は非常に高温かつ急速に燃焼するので、それを使った攻撃をいったん受けると、封じ込める現実的な方法はない。灼熱の雨に見舞われた不運な兵士らにとって、唯一の選択肢は退避することだ。米陸軍は2000年の研究で「戦場の戦闘兵は炎や熱による危険とはけっして戦おうとせず、できるだけ早く退避する」と説明している。
米陸軍によると、こうした危険による重度のやけどを避けるには、兵士は10秒以内に出火元付近から離れる必要がある。米空軍と米海軍はもっと早く、わずか3秒で退避するように求めている。