ロシアのドローン製造業者は今月、そうしたシステムとして「ブーリャ-20」(ブーリャはロシア語で「嵐」の意味)を公開した。固定翼機型とみられるドローンで、地上の管制側からおよそ70kmの範囲を飛行し、複数の攻撃FPVドローンを発進させることが可能とされる。ブーリャ-20は操縦士による目標発見のため高倍率の光学機器を備えるほか、中継基地としての機能ももち、FPVドローンはそこから最長15km離れた場所まで飛行できるという。最大積載量は15kgということなので、FPVドローンを数機運搬できるかもしれない。メーカー側によるとすでに小規模な生産が始まっている。
ロシアで昨年8月に催された国際武器見本市「アールミヤ(アーミー)2023」で、別の地場企業スビャーシ・スペツザシータ社は「アドミラル」という似たようなドローンを出展していた。アドミラルはFPVドローンを2機搭載して400km航続できるとされる。今年3月には、ロシアで3種類目のFPV運搬ドローン「プチラー(ミツバチ)」が目撃されている。
1/ QUICK THREAD - Russia's SvyazSpetszachita is marketing the "Admiral" VTOL combat drone carrier that carries 2 FPV type drones to a distance of up to 400km. https://t.co/mvNG8sRFKK pic.twitter.com/wjiI3nOLlQ
— Samuel Bendett (@sambendett) October 28, 2023
ウクライナ軍も回転翼機型のドローン運搬ドローンをいくつか試している。ウクライナ海兵隊の精鋭ドローン部隊で、指揮官のコールサインにちなんで「マジャールの鳥(プタヒー・マジャラ)」という通称で知られる第414独立無人攻撃機システム連隊は今年5月、爆撃機やFPVドローン運搬機として利用できる大型の回転翼機型ドローンを受領している。また、ウクライナの非営利組織ワイルド・ホーネッツが開発した巨大なFPVドローン「クイーン・ホーネット」もFPVドローン母機や中継機としてのテストが行われている。最大積載量は9.5kgとされる。