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2024.10.04 11:00

アセットマネジメントOneが目指す「未来の風景を創る起点となる投資」の重要性

2024年8月、9月の日本株大暴落、11月5日に行われる米大統領選挙など世界の金融・株式市場の動向が注目を集めるなか、日本は政府が打ち出す資産運用立国となれるのか。アセットマネジメントOne 代表取締役社長 杉原規之(以下、杉原)に、国内の資産運用業界の動向と資産運用立国に向けた取り組みについて話を聞いた。


アセットマネジメントOneはDIAMアセットマネジメント、みずほ信託銀行(資産運用部門)、みずほ投信投資顧問及び新光投信の4社の統合により、2016年に設立。24年3月現在では運用資産残高は約70兆円と国内有数の規模を誇る。杉原は日本株式市場の現状について話す。

「資産運用を始めたばかりの個人投資家の方々は特に、相場急落に動揺されたことと思います。歴史的な急落ではありましたが、相場の変動は今後も起こりうることでしょう。資産運用会社としては、改めて投資家のみなさまに長期運用の重要性を伝えていくことが大切だと感じています」

アセットマネジメントOneは8月のマーケット大暴落の翌日に、同社のファンドを扱う販売会社を対象とした臨時のマーケット説明会を実施した。

「相場が変動したときこそ、資産運用会社が信頼性のある情報をスピーディーに提供していくことが、販売会社やその先にいる投資家の方々の安心につながると考えています」

マザーマーケットの拡大を後押し

政府は23年11月に資産運用立国実現プランを掲げた。

「これまでも貯蓄から資産形成へ移行する試みはありましたが、日本は低成長でデフレの時代が長く続いたため実現には至りませんでした。ですが、今回は政府の意気込みが非常に高く、企業業績も上向きになってきたという好条件がそろってきました。我々資産運用会社は、投資家から企業、企業成長による家計への還元というインベストメントチェーンを太くする役割を担っています。その役割を果たせるよう尽力していきたい」

また杉原は、欧米の動向と比較し、日本が資産運用立国を実現するには10年以上の長期の取組みが必要と語る。

「日銀が発表した2024年1〜3月期の資金循環統計によると、3月末の家計の金融資産は2199兆円となっています。そのうち約50%が預貯金で、株や投資信託などの資産は約20%。一方、アメリカでは株や投資信託などの比率は半数を超えています。背景には、1980年代前半に確定拠出年金401(k)が導入されたことが挙げられますが、これにより貯蓄から投資へと流れが変わりました。その変化には30年ほどの年月を要しました。日本は今まさにそのスタート地点に立っていると言えるでしょう」

加えて杉原は「資産運用立国を実現する鍵は、日本市場がマザーマーケットとして強くなること」だと話す。

「私たちが果たすべき役割は、日本株のしっかりとしたファンドを提供することです。ファンドによって日本企業への投資が促進され、企業成長が促される。そして企業成長がリターンとして家計に還元される好循環を目指していきます」
アセットマネジメントOne 代表取締役社長 杉原規之

アセットマネジメントOne 代表取締役社長 杉原規之

これまで日本の株式市場では、グローバル株が投資対象として注目を集め、長らくデフレ下にあった日本株への注目度は高くはなかった。しかし日本企業の業績が改善し、政府が国外からの投資を活発化させようという動きが出てきた。官民の動きが連動し、海外からも投資対象として日本株が注目を集めている。

「中長期の投資対象として、日本株がようやく俎上に上がってきたと考えています。日本株の魅力を積極的に販売会社へ伝えていくことも、我々の役割だと考えています」
同社では販売会社や個人投資家向けに、定期的に情報を届けることを目的としたイベントを開催している。

「個人投資家から見ると、資産運用会社との間には販売会社が入るため距離感があります。その距離を縮めるための交流の場となりますが、本イベントはファンドマネジャーが運用哲学を語る機会でもあることから、投資家の方々には大変好評をいただいております。

また新NISAがスタートし、資産運用の一歩目として低コストのインデックスファンドなどから投資を始める人が多いように感じています。その後、資産が積み上がった場合に投資対象を広げていくと、ファンドマネジャーが投資判断をするアクティブファンドも視野に入ってくる。そのときに日本株のアクティブファンドが投資対象となるよう、日本株の魅力を発信していきたい」

スタートアップ企業の中長期的な成長を支援

アセットマネジメントOneは、各産業における未来を変革するイノベーションの創出や、その支援を担うことが見込まれる日本の上場企業および非上場企業にも投資する、クロスオーバー投資の運用を2024年9月に開始した。

高成長が見込まれる非上場企業への投資と、株式公開(IPO)後も長期的な株主として関わり続けることで、スタートアップ企業の中長期的な成長を支援することが狙いだ。本格的なクロスオーバー投資戦略の事業化を志向するもので、外国籍投資信託スキームにより、約30%を上限に非上場株式へ投資し、レイターステージのスタートアップ企業を中心とする厳選な投資をする。

「資産運用立国実現にはマザーマーケットである日本株市場の成長が不可欠です。新興企業の成長を継続的に支援していくことで、日本経済の成長を投資の力でつなげていきたい」

リサーチ力とエンゲージメント向上を目指した運用体制

同社では今後、日本株の旗艦ファンドの新規設定を予定。集中投資する50銘柄ほどを厳選し、大型ファンドへと育てていく考えだ。

「大型ファンドを育てるには、将来的な成長を期待できる企業を選ぶリサーチ力が必要であり、投資先企業に対する中長期的な視点で成長に働きかけるエンゲージメント力も大事な要素となります」

アセットマネジメントOneは24年4月、リサーチ力強化とエンゲージメント活動のさらなる強化を目的とした「リサーチ・エンゲージメントグループ」を新設。アナリストやエコノミスト、ストラテジストをひとつのグループに集結することで、財務や非財務、中小から大型のファンド、リサーチからエンゲージメントにいたるまで、一気通貫で対応できる体制を整えた。

「我々は日本の運用会社として、日本株を中心とした運用力をトップクラスに引き上げることを目指しています。さらに、非上場銘柄への投資を通じて将来性のある企業を後押しし、日本市場の拡大にも貢献していきたい」

資産運用立国の旗手となる

杉原は、資産運用立国の実現には、若い世代が資産運用について考える機会をつくることも重要だと語る。実際、杉原は大学で資産運用に関する講義を行っている。

「経済学部の学生でも資産運用について知っている人は少ない印象を受けます。ですが、運用会社の役割のひとつである投資家という側面で話をするとビビッドな反応を見せる学生は多い。ファンドの資金は企業成長を促し、ひいては社会課題の解決や社会の豊かさにつながっていく。このような投資を通じた好循環を伝えていくことで、投資に対する意義を考えるきっかけになることを期待しています」

さらに同社は、個人の資産形成、ファイナンシャル・ウェルビーイングや金融経済教育などの分野における啓発・普及活動を推進する「未来をはぐくむ研究所」を23年10月に設立。また金融経済教育の実践として、子どもたちがゲーム感覚で「ファンドマネジャー」の職業体験ができるオンラインコンテンツをキッザニアと共同開発した。

「こうした取組みを通じて、資産運用を正しく理解した世代を厚くしていくことが、資産運用立国の土台となると考えています」

アセットマネジメントOneのコーポレート・メッセージは「投資の力で未来をはぐくむ」。日本の未来を担う若い世代に向けた取組みは、同社が目指す“未来の風景を創る起点となる投資”につながっていくことだろう。

最後に、今後の展望を杉原に聞いた。 
「日本が豊かになれば、そこで生きる人の人生も豊かになっていきます。資産運用立国への取り組みは数十年という長期にわたりますが、これを実現するうえで、資産運用はサステナブルでなくてはいけません。我々アセットマネジメントOneが資産運用立国の旗手となり、投資家の資産形成と向き合い、投資先企業に伴走して成長にコミットすることで、資産運用立国の実現を目指していきたいと考えています」


アセットマネジメントOne 
https://www.am-one.co.jp/


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商 号 等/ アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

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