今年初め、アップルはiPhone 16において、認証された部品のみが修理や交換に使用できる「パーツペアリング」の慣行を終了すると発表していた。
たとえば、これまではiPhone 15の純正バッテリーを別の端末に移植しても、その部品はアップルによって認証されていないため、いくつかの機能が失われてしまっていた。
アップルは複数のデバイスでこの仕組みを導入しており、修理業界からは「修理コストを高騰させ、使用可能な部品を無駄にしている」と批判されてきた。ある修理業者は、修理後のiPadでバッテリーの状態データが表示されなくなったり、Apple Pencilで直線を描けなくなったりするという現象を指摘し、このパーツペアリングのポリシーを「消費者に対する罰」と表現している。
しかし、iFixitやPhone Repair Guruが行った修理の結果、iOS 18を搭載したiPhone 15では、一部の部品を再利用できることが確認された。新しい修理アシスタントにより、Apple Storeを通さずにデバイス上で部品をキャリブレーション(調整)することが可能になっている。バッテリー、背面ガラスパネル、リアカメラは、同じモデル間で交換した場合、デバイス上で自動的にキャリブレーションされるようだ。
ただし、iFixitとPhone Repair Guruは、ロジックボードを2台のiPhone 15間で交換した場合(すべての部品を交換したケースをシミュレート)、Face IDモジュールは交換することができないことを確認している。
iFixitのブログでは、「Face IDはキャリブレーションが必要だと表示されましたが、『修理完了』プロセスを進めてもキャリブレーションのオプションは表示されず、『This part is not functioning as expected』というエラーが出るだけでした。さらに、iOS 18を起動して通常操作をしても、インカメラは動作せず、カメラアプリには真っ白な画像が表示されるだけでした」と説明されている。