「土地の気候にあった作物をつくるという『適地適作』の原則は、もう通用しません。気候変動が進む新環境でも、高品質な生産を続けられる新品種で農業を変革。これが、CULTAが提唱する『未来の適地適作』です」
現在、注力する作物はイチゴ。通常10年かかるなか、わずか2年で、輸出に適した新品種を開発した。長距離輸送でも実が崩れない棚持ちと甘さ。従来品種の紅ほっぺに比べ、40%以上優れた品種を生み出したという。
世界で求められる「ジャパンクオリティ」の農作物。日本のイチゴ輸出額年平均成長率は80%。マレーシアで自社品種の生産を開始すると、シンガポールからの連絡が鳴りやまない。CULTA品種をつくりたい農家と組み、24年中に新たに5県で生産開始。APAC6カ国から協業依頼も来た。「時代の風を感じる。気候変動時代のグローバル農業を日本から切り開きたい」
のあき・しゅうへい◎東京大学大学院農学生命科学研究科卒。在学中にCULTAを創業。研究はスマート農業分野。農業分野への画像解析技術の応用で、修士(農学)を取得。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」選出。1993年生まれ。