宇宙

2024.09.28 13:00

鮮やかにきらめく「宇宙の綿菓子」NASAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影

大マゼラン雲内にある発光星雲の複合体「N11」。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影(NASA, ESA, and J. M. Apellaniz (Centro de Astrobiologia (CSIC/INTA Inst. Nac. de Tec. Aero.); Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))

N11は、星の「ゆりかご」であると同時に「墓場」でもある。N11の赤い雲の領域を、暗黒の泡構造が引き立てている。「これらの泡は、星雲内における活発な恒星の誕生と死の結果として形成されたものだ」とNASAは説明している。「恒星風と超新星が周辺の領域を侵食し、ガスと塵の球殻を形成したのだ」という。星雲は、外観が美しいだけでなく、星がどのように生まれ、生き、そして死んでいくかを教えてくれるものでもある。太陽は約46億年前に星雲の中で形成された。遠方の星を観測することで、太陽のライフサイクルに関する洞察を得ることができる。
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HSTは、NASAと欧州宇宙機関(ESA)の共同プロジェクトだ。優先度が最上位のフラッグシップミッションに位置付けられたHSTの打ち上げは1990年に遡る。運用期間が34年に及び、宇宙望遠鏡としては古参となる。この数十年の間に幾多の試練を経験し、今年もこれまでに難しい技術的問題をいくつか乗り切っている。HSTチームは、望遠鏡を稼働させ続けるために新しい運用モードを導入した。この修正措置が功を奏したため、科学ミッションは継続されている。

NASAとESAは、遠方の銀河や絶景の星雲、さらには木星や天王星などの太陽系の惑星にも光を当てるHSTの画像を定期的に公開している。科学と一般向け天文普及活動へのHSTの貢献は計り知れない。HSTは、わし星雲の中にある「創造の柱」の画像など、現代の最も象徴的な宇宙画像のいくつかを地球に送り届けてきた。今回は、綿菓子のように見えるN11星雲が、HSTの天体画像リストに新たに追加された。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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