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2024.09.30 17:45

能登半島地震で被災道路を発泡ウレタンの超軽量盛り土で復旧

プレスリリースより

能登の大動脈とも呼ばれる自動車専用道路「のと里山海道」は、能登半島地震によって170カ所もの盛り土部分が崩落し通行できない状態になっていた。その復旧に、発泡ウレタンを使った盛り土が採用され、このたび施工が完了した。

災害で崩れた道路などの盛り土は、土と砕石で再び作り直すのが原則とされている。しかし、地盤が弱いところや、水害で流された水を多く含む斜面に盛り土をしても、構造物や土の自重でまた流れ落ちる恐れがあるため、大変な難工事となる。そこで今回は特別に、「現場発泡ウレタン超軽量盛土工法」が使われることになった。

これは、大正時代から続く高分子化学製品の老舗イノアックコーポレーションのグループ会社、イノアック住環境が1990年に世界で初めて施工に成功した技術だ。そこに使われる硬質ウレタン樹脂は、現場で原液を混合して吹き付けると、わずか1分間で30倍に膨らんで硬化し、非常に軽くて頑丈な地盤を作る。施工が比較的簡単で、工期も大幅に短縮され、低コストという特徴がある。これまで、山岳道路の拡幅工事や、道路の亀裂や崩れた法面の補修などで実績を積んできたが、大規模な災害復旧に使われるのは初めてとのこと。

発泡ウレタンはフロンで膨らませるものが多いが、イノアックの工法ではフロンを使わない。また、廃棄物の削減やウレタン製品のリサイクルなど、同社は環境対策に力を入れている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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