ウェイモの自動運転システムのWaymo Driverは現在、中国の吉利汽車の電気自動車(EV)ブランド、Zeekr(ジーカー)の車両をベースにしているが、同社は、バイデン政権が発表した中国製EVへの100%の関税を脅威と考えて、他のメーカーとの提携を模索しているのかもしれない。この関税は、11月の米大統領選以降の次期政権にも引き継がれる可能性がある。
ウェイモは、ジーカーとの提携とその車両の設計に満足しているが、100%の関税に対処するのは難しいと思われる(ただし、この関税は同社に適用されない可能性もある。なぜならウェイモは、完成前の車両を受け取って、それをカナダ車部品大手のマグナ・インターナショナルに送って、消費者向けには販売されないロボタクシーに改造しているからだ)。
一方、ウェイモがヒョンデのIONIQ5を選ぶというのは、異例の選択のようにも感じられる。同社がこれまで使用していたジーカーの車両は、両側に大きなスライド式のドアを持ち、ロボタクシーとしての使用に適している。これに対し、IONIQ5は一般的な電動SUVだ。
もしウェイモが100%の関税に直面した場合、新たな車両を探すだろうが、IONIQよりもタクシーらしい車両を選ぶ可能性が高い。同社は、関税の状況を注視しているが、まだ決定を下していないという。
米国のロボタクシー企業が、アップルのiPhoneと同様に中国企業に製造を頼るようになることは、以前から指摘されてきた。タクシーの顧客は、車両の製造元がどのブランドであるかをさほど気にしないため、中国ブランドの使用は障壁にはならないからだ。さらに、中国企業は他の国のOEMよりも高品質でコストパフォーマンスに優れた製品を提供するようになっている。