東京発の介護支援用デバイス「switle BODY」に脚光
日本からは東京都が推進する「SusHi Tech Tokyo(スシテック トウキョウ)」のプロジェクトから、スタートアップと産学連携機関を合わせて合計7つの団体が集まってIFA NEXTに出展した。IFAはエレクトロニクスショーであることから、来場者が自ら体験できるハードウェアが注目を集めることが多い。東京都台東区に拠点を置くシリウスが出展した独自の介護用洗身用具「switle BODY(スイトル ボディ)」の体験型展示が関心を集めていた。
switle BODYには同社が先に商品化した湿式吸引アタッチメント「switle」にも搭載する、水を噴射しながら即座に吸い取る機構を応用した。この技術を応用して、ベッドから移動することが難しい要介護者に向けて、ベッドに寝たままの状態で介護入浴を提供できるswitle BODYを開発した。日本では販売を開始しており、介護・医療施設のみならず個人のユーザーからも多数の引き合いがあるという。
高齢者介護を取り巻く課題を解決に導くテクノロジーは、日本のみならず海外でも強い関心を呼ぶ。シリウスのスタッフも「IFA NEXTに出展したことで、今後の欧州展開に向けてとても良い手応えを得た」と語る。
なお、東京都は来年の5月に、東京ビッグサイトなどでアジア最大級のスタートアップカンファレンスとして「SusHi Tech Tokyo 2025」の開催を予定している。
成長の鍵を握るAIとサーキュラーエコノミー
イベントを主催するIFA Management社のCEOに昨年から就任したライフ・リントナー氏に、自身が初めてタクトを振った2024年のIFAの手応えと、欧州エレクトロニクス市場の動向を聞いた。2023年はIFAにとって、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック後の本格的な「リアル開催」の1年目だった。2024年はIFAの会場全体がより明るいムードに包まれ、展示会・見本市ビジネスが復活を遂げることができたリントナー氏は胸を張った。