生成AIと連携するスマート家電が早くも登場
「生成AIとスマート家電の融合」はまだ始まったばかりだが、今年はIFAでその最前線に触れることができた。LGエレクトロニクスは欧州でも人気の生活家電メーカーだ。同社は独自の大規模言語モデル(LLM)をベースに開発した最新のAIエンジン「FURON(フューロン)」を組み込むスマートホームハブ「ThinQ ON」を商品化する。
ThinQ ONはコースター程度の大きさの家電。LGが推進してきたスマートホームのプラットフォームであるThinQ(シンキュー)をサポートする生活家電にホームネットワーク経由で接続して、これらを「生成AI対応の家電」に変えるユニークなAI対応の司令塔だ。ユーザーの生活リズムをAIが学習して、家電の連携動作により心地よい暮らしをサポートするルーチンプログラムを生成したり、Microsoft Azureをベースに開発するAIチャットボット機能などを組み込む。年内に韓国から商品として販売を開始する。
欧州ではサムスン電子の生活家電も強い。IFAに最大規模のブースを出展するサムスンは、大型ディスプレイ付きスマート冷蔵庫の「壁紙画像」を生成AIがつくり出す機能を今年の新製品から投入した。先にスマートフォンのGalaxyシリーズで実現している生成AIベースのチャットや、食事の献立提案などキッチンに最適化した生成AIサービスを冷蔵庫でも近く実現したいと、同社の家電担当のスタッフが展望を語っていた。来年には独自のAIアシスタント「Bixby(ビグスビー)」と会話しながら操作できるスマート冷蔵庫が誕生しそうだ。