ほとんどの有権者にとって、共和党のリーダーが大麻の合法化を支持することは驚きだった。長い間、大麻の合法化運動は、主にリベラル派や民主党のものと思われてきた。しかし、ここ数年で、ますます多くの共和党議員や共和党の大口献金者らがこの問題に取り組むようになっている。
38州にまたがるライセンス制の大麻経済が300億ドル(約4兆3000億円)規模に達し、そのうちの15州が共和党の州であることから、大麻の合法化は、州の独自性やビジネスの推進を重んじる共和党にとっても重要なテーマとなった。先日は、1971年に「麻薬戦争」と呼ばれる強硬な麻薬追放政策を開始し、大麻を「世界で最も中毒性のある物質」の一つに分類した、共和党から当時の大統領となったリチャード・ニクソンですら、1973年に大麻が「特に危険ではない」と語っていたことがニューヨーク・タイムズ紙の報道で明るみに出た。
カンナビス・フリーダム・アライアンスの共同設立者で、ビリオネアのチャールズ・コークが率いる保守系政治団体、繁栄のための米国民(AFP)アクションの政策ディレクターを務めるジェレミア・モステラーは、2018年から共和党議員に大麻の合法化を働きかけてきた。彼は、共和党がついに合法化が自分たちに関係なく進んでいることを認識したと述べている。
「私たちは今、共和党や保守派がますます大麻に好意的になっているのを見ている。トランプは、長い間この問題を見てきた私たちが知っていることを認識している。つまり、合法化は、選挙の結果を左右するほどのことではないが、世論の非常に高い支持を受けているため、無視できないということだ」とモステラーは語った。
さらに、長年にわたり議会における大麻の支持派と反対派の動きを見守ってきた超党派の大麻議員連盟を創設したメンバーの1人で、オレゴン州選出の民主党議員アール・ブルメナウアーは、「今起こっている動きは、共和党内の反対派の最後の抵抗だ」と述べている。
「スポーツ賭博」の合法化と同じ論理
2023年に娯楽用大麻を合法化したオハイオ州の共和党議員デビッド・ジョイスは、昨年12月に同州における大麻を連邦法の下で正式に合法化するための法案の「States 2.0 Act」を提案した。この法案は、州における大麻の合法化を維持しながらも、州の外で生産・購入された大麻の持ち込みを禁ずるもので、スポーツ賭博が全米で合法化されたプロセスと同様に、大麻の合法化を各州の判断に委ねることを目的としている。ジョイスは、合法化を州の権利の問題に位置づけることで、共和党の支持を得られると述べている。