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2024.10.01 16:00

河村勇輝は不安すらも糧にして“進化”を遂げる──日本バスケ界の司令塔が語る夢への覚悟

モビリティの未来に向けて前進を続けるプレミアムモビリティブランド“Audi”が、Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024で河村勇輝、今田美桜、イノカ・高倉葉太に特別賞を授与した。

インタビューの連載第2回目となる本記事では、日本バスケットボール界の司令塔として今夏の国際大会でも大きな存在感を示した河村勇輝が登場。

9月には世界最高峰のリーグを目指してアメリカへ飛び立った河村選手。絶え間なく進化を続ける彼に、日頃のパフォーマンスの中で大事にしているフィロソフィーを訊ねた。


「僕たちが進んでいる方向は間違ってなかった」

172cmのポイントガード。世界の相手と比べれば決して大きくないその身体で、縦横無尽にコートを駆け巡るスピードスター。チームメイトへの華麗なアシストパスを武器に、前のスペースが少し空けば鋭くドライブし、チャンスがあれば自らゴールを決め切る──。

今夏の国際大会で見せたその勇姿は、日本中ならず世界中のバスケファンを驚かせたに違いない。「日本を代表するポイントガードになる」と以前から目標を掲げていた河村が、それを体現しようとパリの舞台で大きく躍進していた。

開催国であり格上の相手であるフランスに善戦し、ジャイアントキリングまであと一歩というところまで迫った。手に汗握る展開だったが、プレーしている河村は「一瞬で試合が終わったような感覚でした」と振り返る。

「大会に向けて僕たちは “shock the world”という合言葉を掲げていました。悔しい結果にはなってしまいましたが、日本のバスケットボールというものを世界中の方に見せられたんじゃないかなとは思っています。僕たちが進んでいる方向は間違ってなかった。世界と日本の差は確実に縮まっているので、これからも自分たちのやり方を信じて進んでいきたいと思っています」

世界が相手でも通用する──その自信を胸に渡米


国際大会前の7月、日本バスケ界に嬉しいニュースが舞い込んだ。河村選手が米プロバスケットボールリーグのチームであるメンフィス・グリズリーズとエグジビット10契約を結び、9月から渡米することが決まったのだ。ここからまだ越えなければいけないハードルはあるが、河村は世界最強の選手たちとバスケをするための挑戦権を獲得したことになる。

「子どものころからアメリカでプレーしたいと思っていたわけではなかったんです。なんなら、高校生まではプロバスケ選手になることすら考えてなかった。ただ、本当にいろんな人に恵まれて、指導者やチームメイト、ファンの皆さんがすごく応援してくれて、徐々に自分の目標が高くなっていきました。

アメリカへ行きたいという気持ちが強まったのは、この1年くらいのことです。海を渡っても、自分の実力を発揮できるんじゃないかっていうイメージがだんだんとついてきた。もちろん簡単な世界じゃないのはわかっていますが、まったくイメージできないものに飛び込む勇気は正直僕にはないので。昨年の夏の国際大会で世界相手にも通用するんだという自信がついたのが大きかったです。渡米に向けて自分なりに身体作りや準備をしてきて、いまがベストタイミングだと思い挑戦を決めました」

実現すれば、アメリカで活躍する新たな日本人プレイヤーとして大きな注目を集めることになるだろう。険しい道のりになろうとも、河村選手ならば大きな夢を見せてくれるに違いない。

抜群のフィット感と乗り心地――機能美が際立つAudiのEV


今回、「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」でAudi特別賞を受賞した河村が、Audiの最高峰EV「RS e-tron GT」と邂逅。伝統を受け継ぐRS(レーシングスポーツシリーズ)の名を冠し、時代の先端を行くテクノロジーと感性を刺激するエモーショナルなデザインを両立したAudiの理想を体現するフラッグシップ電動モデルだ。普段から練習場にも自ら運転して車で向かうという河村は、RS e-tron GTに目を輝かせながら「カッコいい」と一言。嬉々として車中に乗り込んだ。

「シートの座り心地がすごいよくて、身体を支えてくれる安心感があります。ハンドルのフィット感も強い。ここ(メータ―パネル内)にマップが映るんですか。そのほうがたしかに運転中でも見やすいですよね。全体的に、ドライバーに配慮されたデザインを感じます」

運転姿勢が崩れないように設計されたシート。人間工学に基づいて操作しやすく配置されたタッチパネルやディスプレイ。走りながら乗り味を瞬時に変えられるドライブモード機能や、車内のライティングカラーなどを自分の好みに合わせてカスタマイズできるインテリジェントなシステム。こうしたAudiのテクノロジーと機能美の結集が、快適な乗り心地を実現している。河村は、「友だちの運転で乗ったことがある」という電気自動車のイメージについても語ってくれた。

「ガソリン車よりはるかに静かで、乗っていて気持ちよかった印象があります。例えば、音楽を聴きたいときとか、友だちと会話しているときとか、車の音が静かであればより鮮明にそれらのシチュエーションを楽しめるのがEVのいいところだと思いますね」

毎日の継続が、いずれ大きな成長につながる

Audiの電気自動車が物語る「進化」に触れた河村選手。アスリートは極限の環境で自分を追い込みながらパフォーマンスやメンタルを鍛えていくストイックな生き物だが、特に河村選手はよくメディア上で「甘んじない姿勢」を見せてきた。試合後のインタビューではよく反省の言葉を口にする。試合がたとえよい結果に終わり、たくさん得点を稼いで活躍しても「もっとできることがあった」と話す姿がそこにあった。

「常にバスケットボールがうまくなりたいという気持ちがありますし、完全に満足してしまったら、それは選手として成長が止まってしまう瞬間だと思っています。同時に、どんな結果になっても、100%完璧な試合はないんです。チームとしても個人としても、何かしらの課題は残る。そこにしっかり向き合いたいといつも考えています」

常に結果から学び、動きを止めない。試合中の華々しい躍動だけでなく、私たちには見えない試合の“前後”にこそ、河村選手の大事にしている哲学が隠れているようだ。

「試合中にできることは、ほとんどありません。どれだけ準備してきたか、そこに満足できているかが大事。準備がうまくできていれば、劣勢になった場面でも自信を持ってプレーできるんです。僕はけっこう心配性な性格なので、常にバスケットボールに対して何かを考えて、行動していないと不安になる。目標に対して最大限できる努力をしたいと思っています。

日々の生活の中で特に意識しているのは、『継続すること』です。バランスのいい食生活を心がけて、しっかりと睡眠をとること、そのとき必要なトレーニングや練習に取り組むこと。それを毎日、継続し続けることで、いつか大きく成長できている自分が待っていると思っています」

最後に、河村選手は進化の先にある未来を見据えてこう語った。

「米プロバスケットボールリーグのコートに立ってプレーすることが、直近の一番の目標です。アメリカではこれまで使ってきたボールも違いますし、ルールも、3ポイントのラインも違う。そして、自分が慣れていない言語でコミュニケーションをとる必要がある。そうしたなかで不安ももちろんありますけど、その不安すらも自分を進化させてくれると信じています。

自分の強みであるスピード、そして最近では、大きな選手に対しても当たり負けしないフィジカルをつくってきました。そうした武器を最大限にアピールして、『河村勇輝は世界最高峰のコートでもプレーできるんだ』ということを少しでも証明していきたい。

そして、僕がアメリカでプレーすることを夢に見ているファンの方々や小さなお子さんもいると思います。だから、自分の夢だけではなく、日本のバスケットボールを応援してくださる方々の夢も背負いたいと強く思います。これは自分ひとりの夢じゃない。だからといってプレッシャーをかけすぎることなく、毎日の積み重ねを続けていきたいと思っています」





かわむら・ゆうき◎2001年、山口県生まれ。バスケットボール選手。ポジションはポイントガード。6歳からバスケを始め、福岡第一高校在学時に日本一を4度獲得した。この9月に渡米し、米プロバスケットボールリーグに所属するメンフィス・グリズリーズのトレーニングキャンプに参加。

Promoted by Audi / text by Kohei Hara / photographs by Yoshinobu Bito / edited by Mao Takeda / Styling by Sayaka Suzuki / hair&make up by TOYO / 衣装協力:エストネーション