イスラエル国防軍(IDF)は、レバノンの首都ベイルートでの「標的を絞った攻撃 」を含め、23日だけでヒズボラに関係する600以上の標的を攻撃したと主張した。
AP通信はレバノン保健省の話として、23日のイスラエルの攻撃で少なくとも274人が死亡し、1000人以上が負傷したと報じた。
イスラエル国防軍は、ヒズボラがイスラエル北部の民間人を「無差別」に攻撃したために「反撃」しており、ヒズボラに非があるとしている。
報じられたところによると、米国防総省のパトリック・ライダー報道官は「中東にすでに駐留している部隊を増強する」ために米国が「少数」の兵士を派遣すると発表。部隊の増強は「慎重を期して」とのことだが、その目的については明言を避けた。
イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官は23日、レバノン東部の村々の住民に対して「安全のために、ヒズボラが軍事目的で使用している建物や地域に隣接している危険な場所からただちに離れる」よう「事前警告」を発している。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、イスラエル国防軍はレバノン南部の19の村町を目立たせた地図も公表したが、そのすべてが標的となるのか、あるいは避難が必要かについては明言しなかった。ハガリは、レバノン東部でさらに攻撃が行われる可能性が高いとの見方を示した。
イスラエルは昨年、イスラム組織ハマスと戦う中でパレスチナ自治区ガザ地区の市民に何度も避難命令を出しているが、レバノン市民に対する避難命令は今回が初めて。空からの攻撃を激化させる可能性があることを示している。
ハガリは記者団に、イスラエル軍は現在「空爆のみ」に注力していると語ったが、地上侵攻を明確に否定せず、「必要なことは何でもする」と述べた。
23日の死者数は、イスラエルとヒズボラの間で大規模な戦闘が最後に起きた2006年以来最多だとタイムズは報じた。当時の戦闘ではレバノン側で1000人以上の犠牲者が出た。