調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの中国調査責任者アンドリュー・バトソンは「中国における消費者の見通しの悪化が、政府の経済運営の前提を揺るがしている」と指摘する。
「2021年7月から続いている歴史に残る不動産不況」以来、「政府は積極的な介入を行わず、不動産部門の低迷をほぼ放置し、その代わりに新たな成長産業を育成する政策に注力してきた」とバトソンは説明した。
だが「不動産バブルは明らかに手に負えない事態に陥り、遅かれ早かれ調整しなければならなくなった。早く動くに越したことはない」とバトソンは語る。「不動産バブルの調整が終われば、経済は国内消費と新製品・サービスの輸出による新たな成長に向かうというのが定説だ。住宅投資が調整される間、家計消費が安定せず冷え込むようなことになれば、こうした楽観的なシナリオは実現しにくくなる」
習近平の側近らがこの負の連鎖を断ち切れるかどうかは予測困難だ。ダリオですら難しいだろう。しかし、中国を最も熱烈に支持してきた富豪の1人が、この先「大きな問題」が中国を待ち構えていると考えているという事実は良い兆候ではない。
(forbes.com 原文)