欧州

2024.09.21 10:00

ウクライナ軍の無人車両が初の本格戦闘、クルスク州の塹壕掃討に貢献

空中ドローン、いわゆるドローンが3次元を自由に飛び回れるのに対し、地上ドローン、つまり無人車両は舗装路ですら、穴ぼこ、落下した枝、急斜面といった障害物に頻繁に出くわし、通り抜けるのに苦労する。

未舗装路を走破するのはさらに難しい。無人車両にとって、戦場で有効な仕事をするのはおろか、そもそも戦場にたどり着くこと自体が大きな課題になる。リューチの開発者は賢明にも機動性を重視し、大径ホイール、低い重心、十分な最低地上高を確保した車体フレームを採用している。

リューチが最初の本格的な小戦闘に投入された場所は興味深い。ウクライナとの国境にほど近いクルスク州ボルフィーノ村で、ウクライナ軍が先週、同州に対する新たな侵攻を始めた方面の西の端に位置する。

クルスク州ではそこから30kmほど東方で、ウクライナ軍の大規模な部隊が、8月に占領した1000平方kmほどの突出部を保持すべく戦っている。リューチが配備されている特殊作戦軍の部隊を含む、はるかに規模の小さい部隊はその西方で前進を図っているという構図だ。ウクライナ側は後者の部隊を進撃させることで、突出部との間にいるロシア軍部隊の包囲を狙っているもようだ。

これは過剰に拡張しているウクライナ軍にとってリスクの高い作戦である。ただ、この作戦は、銃で武装した地上ロボット少なくとも1両という形で、ちょっとしたハイテク支援を受けている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事