まず第一に、シンプルですっきりしたデザインだと感じた。第二に、これは確かに自転車にいくらかの活力を付加するが、それほど強力ではないということ。三番目は、これがすばらしい可能性を秘めた未完成の製品であるということ。そして四番目、この会社にローラースケート用の製品を作ってほしいということだ。
保険のためかどうかわからないが、メーカーはまず、製品の仕組みと取り付け方を説明するために、30分ほどのビデオ通話を求めてきた。すべての購入者に同じことを求めているのだろう。製品が届いたら、出かける準備は完了だ。この装置を取り付けて自転車(私の場合、今回のテストのために友人から借りた古い10段変速の自転車だった)にまたがるまで、1分しかかからなかった。
CLIPには2つのバージョンが用意されている。1つはバッテリー容量96Wh、重量約4kgの「Commuter」で、一度の充電で6〜10km弱ほどの距離を電動アシスト付きで走ることができる。価格は499ドル(約7万2000円)。そしてもう1つのバッテリー容量192Wh、重量約4.4kgの「Explorer」は、一度の充電で16〜19kmほどの距離を走れるが、価格は599ドル(約8万6000円)となる。私が試用したのは後者だ。どちらも、シティサイクルからロードバイク、クロスバイク、シェアバイクまで、ほとんどの自転車に取付可能だ。
基本的に装置の取り付けは、CLIPの両側のアーム部分で自転車の前輪をはさむようにしてレバーを引き、アームの端をフォークに固定するだけ。内側にあるローラーが前輪にモーターによる動力を伝える。小さなリモコンのラバーストラップを自転車のハンドルバーに巻き付ければ完了だ。
このリモコンには2つのボタンがある。大きな赤い丸型のボタンはペダルアシストを作動させ、実質的に自転車の駆動を電動化する。小さいほうの白い横長のボタンはブレーキボタンで、回生ブレーキを作動させて自転車を減速させる。念のために言っておくが、どちらのボタンも押さなくても、自転車は普通に走る。
メーカーはこの装置が実際に車輪を動かすのを少し補助するので、自転車が軽くなったように感じられると主張している。確かにそうかもしれないが、私の経験では、この装置の分だけ重量が増すため、感覚的には相殺されるように思われた。ただ、自転車を押して歩いている時は別で、自転車が勝手に動いているように感じる。しかし、比較のためにこの製品をテストした後でCLIPを取り外し、普通の自転車として乗ってみたら、電気パワーは発揮されないが、私にはCLIPを装着していた時よりも軽くて乗りやすいように感じられた。