上海を拠点とするコンサルタント会社のオートモビリティによると、中国の新エネルギー車市場(プラグインハイブリッド車、燃料電池車、バッテリー電気自動車を含む)におけるテスラのシェアは、今年1~7月で9%から6.5%に低下している。
テスラを脅かす中国メーカー
中国には100を超えるEVブランドがあり、EVの幅広い領域をカバーしている。中国メーカーのNioやLi Autoなどが提供するプレミアムモデルは、ハイテクな車内設備や航続距離を伸ばす「レンジエクステンダー」を採用するものもあり、テスラのモデルYやモデル3といった製品の直接的な競合だ。さらに、中国の自動車メーカーは1万ドルから1万5000ドルという低価格で魅力的な車両を製造することもできる。要するに、テスラが夢見ながら、実現できなかったことをやってのけたのだ。中国国内には、モーター、ドライブトレイン、バッテリー、ソフトウェアそして半導体に至るまで、大規模なEVエコシステムがあるという利点がある。中国メーカーが台頭するにつれて、別の疑問が生じる。 彼らはEV販売台数でテスラを上回るだけでなく、自律走行の未来をも支配することができるのだろうか? テスラはこれまで、自動運転技術の開発においてリーダー的存在と見なされてきた。「フルセルフドライビング(FSD)」と呼ばれるテスラの自動運転技術を搭載した車両の累計走行距離は16億マイルを記録しており、その機械学習アルゴリズムはかなりの強みを発揮している。
しかし、テスラは、中国における完全自動運転ソフトウェアの展開の遅れに直面している。現地の規制当局が、米国でのテスラのソフトウェアによる事故の懸念や、潜在的なデータのセキュリティ問題を理由に、この技術をまだ認可していないからだ。加えて、テスラは自動運転モデルを訓練するための走行データを中国から米国に転送することを許可されていない。一方、中国の自動車メーカーは政府の認可を得ており、テスラが現在中国市場内で搭載を許可されているものに比べ、より高度な運転支援機能を提供している。