中国勢に対抗するテスラの武器
中国のEVメーカーが優位に立ちつつあるにもかかわらず、テスラにはこうした難局を乗り切るのに役立ついくつかの利点がある。テスラは中国での製造拠点から引き続き利益を得ている。テスラの上海工場は最大級の規模を誇り、モデル3とモデルYを年間95万台以上生産できる能力を誇っている。これに対し、テスラのカリフォルニア工場での生産台数は約65万台である。テスラは今年上半期だけで、中国で生産した42万6000台以上の自動車(中国での販売と輸出の両方を含む)を納車しており、これは全世界の納車台数の半分以上を占めている。さらに、テスラは世界的に良好なポジションを維持しており、世界貿易におけるいくつかの保護要因の恩恵を受けている。中国の自動車メーカーは、バイデン政権が課した100%もの高関税のほか、規制上のハードルもあり、米国に進出できていない。欧州連合(EU)では、現在EV市場の約5分の1を中国からの輸入が占めているが、規制当局は50%近い関税を検討している。これにより、中国自動車メーカーの世界進出計画が遅れる可能性があり、テスラは主要地域での市場シェアを守るための時間的猶予がある。
株価パフォーマンスとバリュエーション
中国での状況や世界のEV市場の減速により、過去3年間におけるテスラ株のパフォーマンスは非常に不安定だ。テスラ株のリターンは、2021年に50%、2022年にマイナス65%、2023年に102%だった。私たちはテスラの目標株価を約230ドルとしており、米国時間9月19日現在の株価である約243ドルより5%程低い水準だ。(forbes.com原文)