米国でも、新たな環境でやり直そうと考える人が増加している。ただ、外国に移り住むことは、人生における大きな変化を生むことだ。自分自身をしっかりと見つめ直すこと、計画を立てること、そしてその実現のためにエネルギーをつぎ込むことが必要になる。まずは次の6つのことについて、自分に問いただしてみよう。
1. どんな生活がしたい?
飛行機に飛び乗る前に、まずは自分にとっての優先順位や計画、好みを明確にしておこう。現在の生活の中で、手放してもいいものと、そうでないものは何だろう?一緒に移住するパートナーの理解も得ておく必要がある。友人や家族に反対された場合はどうするかについても、考えておいた方がいいだろう。移住先では、どのような生活をしたいのだろうか? 外国人が集まる地域に住み、英語で会話ができた方がいいのだろうか。それとも、言葉に壁に苦労することになっても、地元の人たちと、その土地ならではの暮らしがしたいのだろうか?
また、自国と外国を行き来する生活と、完全な移住のどちらを選ぶのだろうか。1~2カ月をその国で過ごして帰国し、次に渡航したときには滞在期間を延ばし、少しずつ完全な移住を実現しても、最初から思い切った行動に出てもいい。選択には、正解も誤りもない。自分にとって、最適と思える形を選ぼう。
2. 予算は?
移住にどのくらいの費用が必要か考えるのではなく、まずは自分が今、どのくらい支出できるのかを考えてみよう。最も低コストで暮らせる国を選ぶのであれば、毎月1000ドル(約14万円)程度で済むかもしれない。ただ、その金額があなたにとっての上限だというなら、移住先の選択肢は限られてくるだろう。自分の予算がどのくらいか判断するための最も良い方法は、スプレッドシートを作成することだ。資産と負債を明らかにして、純資産を把握しよう。幸いなことに、米国からの移住なら、生活必需品を含めた大半のモノやサービスにかかる費用が減ることになるだろう。
3. 医療が必要になったら?
人生において最も重視すべきことの1つが、健康だ。その重要性は、年齢を重ねるごとに高まる。移住の準備を始めるなら、医療保険については早めに検討した方がいい。加入可能な年齢に、制限を設けている保険もある。定期的な治療や特別な投薬療法が必要なら、移住先は限定されるかもしれない。だが、それは必ずしも、決断を難しくさせるわけではない。調べてみれば、手ごろな費用で質の高い医療を受けることが可能な国は、各地域にある。
また、まったく健康だという人も、移住先で必要な保障を受けることができる医療保険に加入しておく必要がある。ただ、国によっては医療費が低額で済むことから、必要なときには自費で賄えばいい、保険は不要、と考えられる場合もある。保険料に充てようと思っていた分は、利息がつく定期預金口座に預けておこうと考える人もいるかもしれない。