ワーキングレベルに至るためのアプローチ
「サバイバルレベル」の英語の次のレベルと私が定義しているのは「ワーキングレベル」です。日本語でいえば、担当者レベルの英語という事になります。「サバイバルレベル」をクリアすると、おおむね日常生活には困らない英語能力を得ている事になりますが、「サバイバルレベル」では、一担当者として仕事を依頼されたり、業務のゴールを理解したりといったレベルにはまだ足りないと思います。自身が担当する業務なので、しっかりと成果を出さないとチームのメンバーとして認知してもらえないということも出てくるかもしれません。どういった成果を期待されているかを理解し、解決にはどういうアプローチがあり得るかを考え、自分ひとりでできない場合には、周囲に助けを求めるだけの英語能力が必要になってきます。
ワーキングレベルに至るためのアプローチについて、ここで共有します。あなたが到達しなくてはならない英語のレベルはご自身の業務および周辺業務において、英語のコミュニケーションが破綻しないレベルです。
話される英語が分からないのは、いくつかのレイヤーに分解する事ができて、まず音が取れないレイヤーがあります。
これは慣れ親しんだ母国語の音ではない、外国語の音は聞き取りにくく、母国語の音に強制的に寄せて聞き取ってしまう事があるのです。よくいわれる例では、RとLの音の違いでしょうか。どちらも「ラ行」にしか聞こえない人も少なくないと思いますし、RとLの発音は油断すると同じになってしまいがちです。これは慣れるしかないのですが、音が取れなくてもその上のレイヤーの単語レベルで音が取れないことを補えるようになると進歩です。
単語レベルで音レベルの聞き間違いを補正するのです。携帯電話などの無線通信などでは信号レベルのエラーを修復するエラー修正という仕組みが組み込まれていて、間違ったメッセージを伝送しない工夫がされていますが、音の聞き間違いを単語レベルで修正するのです。これを実行するには、業務で使う関連単語は一通り覚えておくことで、重要な単語の聞き間違いが少なくなります。
次のレイヤーは文章レイヤーでの聞き取りです。これには文法や慣用句といった一連の単語列を知っておく事で単語が聞き取れなくても、文章レベルで意味をとる事ができる可能性が高くなります。
ただし、音レイヤーを単語レイヤーで修正し、単語レイヤーを文章レイヤーで修正してもよくわからない事はあるので、そういった時は理解した内容を極めて簡単な文章で相手に問い直してみるという事が即座にできると良いでしょう。
以上、「ワーキングレベル」の英語力獲得方法でしたが、まとめると業務に関連する単語はすべて覚えておく、文法や慣用句も多くのバリエーションを知っておくことで理解しやすくなるのです。