北米

2024.09.20 16:00

米大統領警護隊、イーロン・マスクの投稿を「脅迫」の疑いで捜査

Marc Piasecki/Getty Images

イーロン・マスクは先日、2度目となるトランプ元大統領の暗殺未遂事件の発生を受けて、「誰もバイデンとカマラを暗殺しようとさえしない」と、X(旧ツイッター)に投稿したが、米大統領警護隊(シークレットサービス)は、この投稿が脅迫にあたらないかの捜査を進めている模様だ。ブルームバーグが9月19日に報じている。

大統領警護隊は、ブルームバーグからの米情報自由法(FOIA)に基づく開示要求を受けて、マスクの投稿に関する記録を「法執行の目的」で収集したことを認めた。

Xのあるユーザーは、トランプに対する2度目の暗殺未遂事件が発生した15日に、「なぜ彼らはドナルド・トランプを殺したいのか」と投稿した。この投稿に反応したマスクは、「誰もバイデンとカマラを暗殺しようとさえしない」と返信したが、大きな非難を浴びた後にその投稿を削除した。

マスクはその後、この投稿がジョークだったことを示唆し、「私が特定のグループに何かを言って彼らが笑ったからといって、それがXの投稿としてそんなにおもしろいとは限らない」と述べていた。

大統領警護隊は今週初め、マスクの投稿を「認識している」と述べたが、「保護対象に関わる情報についてはコメントしない」としていた。また、「保護対象に関連するすべての脅威を捜査する」と述べていた。

ホワイトハウスはマスクの投稿を非難し、「暴力は常に非難されるべきであり、決して奨励されたり冗談にされたりすべきではない。このような発言は無責任だ」と述べていた。

マスクはトランプを支持しており、トランプは大統領に返り咲いた場合にマスクを政府の「効率委員会」のトップに任命すると述べている。マスクは、ここ数カ月のXの投稿でバイデン大統領やハリス副大統領を批判しており、バイデン政権が不法移民の選挙での投票を許可しているという虚偽の主張を含む陰謀論の拡散にも関与している。

大統領警護隊が著名人の言動に起因する脅威の捜査を行うのは、これが初めてではない。2017年にラッパーのエミネムは、アルバム『Revival』の楽曲『Framed』の歌詞に、トランプとその家族を脅迫する内容が含まれているとして、大統領警護隊からの尋問を受けたと述べていた。この曲の歌詞には、イヴァンカ・トランプの死体がクルマのトランクの中にあるのを発見するという描写が含まれていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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